グリーンアンモニア製造艦開発へ 28年実証機建設目指す 會澤高圧コンクリート 米企業と提携

グリーンアンモニア製造艦開発へ 28年実証機建設目指す 會澤高圧コンクリート 米企業と提携
グリーンアンモニア製造艦「MIKASA」のイメージ図(會澤高圧コンクリート提供)

 會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市)は、洋上風力発電タワーを支えるコンクリート浮体に連結した「グリーンアンモニア製造艦」の開発を進めている。風力発電の電力を活用して洋上で生成したアンモニアを陸上へ輸送し、温室効果ガスを排出しない次世代エネルギーの水素に転換する。2028年に実証機の建設を目標とし、米国企業と提携し世界に例のない地域分散型水素サプライチェーン(供給網)構築を目指す。

 グリーンアンモニアは風力、太陽光など再生可能エネルギー(再エネ)で水を電気分解して造った水素に、窒素を合成して生成する。製造過程でも、発電利用などで燃焼させても二酸化炭素(CO2)を出さない温暖化対策のエネルギー資源として期待されている。

 同社は再エネ利用の拡大に向け、世界的に導入が急がれている洋上風力発電に着目。海底に固定せず海に浮かべる「浮体式」の巨大な風力タワーに連結した浮体型構造物(製造艦)でアンモニアを造り、船舶で陸上へ輸送。特殊な装置で電気自動車の燃料電池に使う水素へ転換する。水素の供給網を構築し、脱炭素化に貢献する電気自動車の普及を後押しする構想を描いている。

 製造艦は、コンクリート部材を格子状に組み合わせた正三角形(1辺68メートル)の構造。アンモニア製造装置と貯蔵タンクを搭載し、コンクリート浮体物3基で海に浮かべる。風力の電力を引き込んで装置を稼働。出力1万キロワット級の風力発電を想定した製造艦のグリーンアンモニア生産能力は、年間約1700トンと見込む。

 「MIKASA(みかさ)」と命名した実証機は、アンモニア製造や水素転換技術を持つ米国企業と提携して開発を進めている。洋上風力発電の導入拡大は、札幌市で15、16両日に開かれた先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合の共同声明に盛り込まれ、発電能力を30年までにG7全体で21年実績の約7倍に引き上げる目標が掲げられた。そうした動きも踏まえながら同社は開発に挑み、「風力エネルギーから生み出したアンモニアを活用した水素社会づくりに貢献したい」としている。

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