「防ごウサギ」で防ごう詐欺 苫小牧署などに啓発の陶人形

「防ごウサギ」で防ごう詐欺 苫小牧署などに啓発の陶人形
「防ごウサギ」を作った山口さん(中央)。井下巡査部長(左)と東警部補

 詐欺防止のメッセージを掲げたウサギの陶人形が苫小牧署や厚真町内の公共施設などにお目見えし、静かな話題となっている。その名も「防ごウサギ(詐欺)」。陶芸歴15年の山口トヨ子さん(79)=町鹿沼在住=が署員の依頼を受け、これまでに20個余りを制作した。「『見たよ』といろんな人に言ってもらえるのがとてもうれしい」と山口さん。同署は「話題にしてもらう中で、一人ひとりが防犯意識を高めてもらえれば」と話す。

 「防ごウサギ」は高さ約20センチ、幅15センチ、奥行き12センチほどで洋服を着てニンジンを手にした、つぶらな瞳が印象的。粘土を練って形を整え、かんなで削りながら人形の微妙な表情まで追求した。町内の陶芸施設の窯で焼き上げ、山口さんは「独特の色合いを出すため、厚真産の炭を含ませて焼いている」とこだわりを語る。

 同署上厚真駐在所の井下雄貴巡査部長は今年の干支(えと)のウサギの名には「詐欺(サギ)」の文字が入っていることに気付き、啓発に生かせないかと着目。昨年4月に着任しあいさつ回りをしていた時、たまたま目に入った山口さんの家の前に並ぶフクロウなどの陶芸作品のことを思い出し、同11月に人形制作を打診したという。

 「自分に作れるだろうか」と不安だったという山口さんだが、翌12月から制作を開始。約2カ月かけて20個を仕上げ、子ウサギを添えたバージョンも作るなどデザインに幅を持たせた。

 人形に添えるメッセージカード作りや「防ごウサギ」のネーミングでは、井下巡査部長と厚真駐在所の東英二警部補が頭をひねった。3月から苫小牧署1階総合案内や厚真町の本庁舎、郵便局、高齢者施設など約20カ所に設置。山口さんはさらに増産中といい、「人の役に立てるのが、生きがい」と笑顔を見せる。

 道警によると、2022年に道内で確認された特殊詐欺の被害額は、前年比2倍の約12億4000万円。今年は3月末時点で31件、約7800万円に上っている。

 井下巡査部長は「これからもまちの人たちと協力しながら、犯罪被害の未然防止に向けた活動に力を入れたい」としている。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る