大昭和戦士逝く

大昭和戦士逝く

 息の長い選手だった。大昭和製紙北海道野球部などで投手として活躍した桐木孝司さんが17日に急逝した。51歳だった。今年も社会人のクラブチーム「WEEDしらおい」の投手兼コーチとしてマウンドを踏むのを楽しみにしていた。

 1990年、桜丘高(白老町)から大昭和製紙北海道入り。3年目、力のあるストレートがプロの目に留まった。ドラフトの指名予告も入ったが、無念の指名なし。力不足を実感しながら球団からの謝罪文を握りしめ、悔しさを胸の一番奥にしまい込んだ。

 大昭和、白老町民球団・ヴィガしらおいで活躍。シダックス(東京)でも奮闘したが2002年、チームの若返りで戦力外に。当時チームのGMでヤクルト、楽天などで監督を務めた故野村克也氏に「フォームもピッチングも悪くない。残るか?」と評価を受けたが、慰留を振り切って故郷の白老町へ戻った。

 最後に会ったのは1年ほど前。ふざけて「もう駄目だろ?」と声を掛けたら「一年一年が勝負です。駄目でもまだ投げますけどね。またクラブ選手権で優勝して、一緒に東京へ行きましょう」と笑った。黒獅子旗(都市対抗野球優勝旗)の歴史をつなぐ大昭和戦士がいなくなるのは寂しい。合掌。(高)

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