観光船の沈没事故では、海上保安庁のヘリコプターが現場に到着するまで通報から約3時間かかり、初動の遅れを批判された。海保は今年度中に道東地区のヘリ数を増やし、ヘリ救助専門職員を新たに置くなど体制強化を進めている。
海保などによると、昨年4月23日午後1時13分ごろ、知床にある他の観光船業者が「カズワンからアマチュア無線で、沈みそうだと連絡があった」と通報。同22分ごろに、現場付近のヘリや巡視船に発動指示が出された。
ただ、現場近くを飛行していたヘリはパトロール中だったため、燃料補給や潜水士搭乗のため釧路航空基地へ一度戻る必要があった。ヘリは通報から約3時間経過した午後4時半ごろに現場に到着。巡視船は悪天候でスピードを出せず、午後5時55分ごろに到着した。同基地にはヘリが2機配備されていたが、1機は整備中で動かせなかった。
遺族の1人は「初動態勢に問題があったと思う」と批判する。「もっと早く現場に着いていれば、助かった人もいたのではないか」と憤る。
救助の遅れを批判された海保は、道東での救助体制を増強することを決めた。ヘリ救助を専門とする「機動救難士」を4月から釧路航空基地に新たに9人配置。ヘリも今年度中に3機に増やす見通しだ。
海保関係者は「ヘリが2機しか配備されてない基地では、1機は任務中、もう1機は整備中のことが多く、緊急時の対応が困難な場合がある」と明かす。ヘリが配備された海保の基地は全国に13カ所あるが、予算の関係などを理由に救助で使えるヘリが3機あるのは新潟と広島の2基地にとどまる。3機へ増やすことが決定しているのは釧路、函館の2基地。函館は増強時期が未定という。
















