今年は春が早い。それならと期待したわが家の桜は、いつもとそう変わらず拍子抜けした。桜なりにわが道を歩むということなら、それも楽しいと思い直す。
2週間前、桜に先駆けて咲くキタコブシが気になり、胆振東部のまちに出掛けた際、思い入れのある木の所に立ち寄ってみた。道によれば、キタコブシは「花付きのよい年は豊作になるといわれることから『先(ま)ず咲く』『満作』の意味を込めて別名マンサクとも呼ばれる」という。その木はまだ3分咲きだったが花芽がたくさんあった。豊作の予感だ。
この日、鵡川の橋を渡り、思わず川の濁りに驚いた。カーキ色。直近に大雨はなかったから雪代だろうか。河口の海辺や河岸は靴底に張り付く泥が所々あった。ふた昔前、車でカヌーを運び浮かべた中流の河原は泥で水辺に近づくのが難しかった。タイミングが悪かったようだ。
2020年の国の調査で鵡川は水質階級1(きれいな水)の判定だ。それでもこの時期、濁りをもたらす泥はシシャモの産卵床、サケの放流稚魚などに影響はないのかと心配になった。河川管理者に聞くと「濁りは雪解けの影響。次第に落ち着きます」(室蘭開発建設部)と答えた。鵡川の形容詞は「清流」が似合う。濁りが落ち着く頃、再訪したい。(司)









