認知症に対する正しい理解の促進に取り組む苫小牧市内の奉仕団体「Cocoro’s(ココロズ)」は、絵本作りを通じた交流機会の創出に乗り出した。さまざまな世代の市民が一つのテーマに沿って絵本を作ることで、地域課題やまちの未来を自分事として考える時間を共有してもらうのが狙い。第1弾として4月から、認知症に関する絵本作りを始めた。
子どもから大人まで手軽に絵本作りに取り組めるプログラムをココロズが考案し、関心を寄せる個人や団体などに公開する。各団体は参加者を集め、プログラムに沿って全2回程度の絵本作り講座を開く―という内容で、「つながる絵本プロジェクト」と名付けた。
限られた時間の中で完成させるため、絵本の大まかなストーリーや主要な登場人物は主催者側が提示。伝えたいテーマをストーリーに盛り込むことで、参加者が絵本を作りながら、自然と地域の課題などに目を向けられるようにする。
プロジェクト第1弾として4月29日、市東開文化交流サロンで認知症をテーマにした絵本講座を開催。小学3年生から大人まで7人が絵本作りに挑戦した。
主人公は認知症のリス。宝物のドングリをどこにしまったか分からなくなってしまう―というストーリーだ。「見た目はほかのリスと変わらない」「認知症の症状があっても、ほかのリスと同じようにうれしい、悲しいと感じる」というテーマが盛り込まれ、作中にはリスを助けたり、心無い言葉を吐いたりする動物も登場する。参加者は「(リスに)何をしてあげたら喜ぶかな」「このとき、どんな気持ちだろう」と思いを巡らせながら絵本作りに打ち込んだ。
絵本は各自持ち帰って自宅で完成させ、今月下旬に開く2回目の講座で発表し合う予定。完成品は同サロンに展示し、来館者に自由に読んでもらうことで認知症への正しい理解を広げたい考えだ。
プロジェクトを考案したココロズの川田幸香さんは「大人が子どもに一方的に教えるのではなく、一つのテーマについて一緒に考える活動として絵本作りを思い付いた」と話す。「自分の活動や思い、仕事などを多くの人に知ってもらいたいと願っている人は、ぜひ絵本講座を開いてみて」と呼び掛けている。
問い合わせはフェイスブック「Cocoro’s 認知症ボランティア団体」のページで受け付ける。
















