大人は

大人は

 大人には決め付ける悪い癖がある。若者が少し自分の意に添わない態度を見せただけで「最近の―」と断定したり。

 知人がうれしそうに教えてくれた話。先月末のこと。コンビニの駐車場に車を止めると、入り口近くに中学生ぐらいの男の子が5、6人、退屈そうに立っていた。見ていると、連中が突然、走りだした。近くの横断歩道を歩いていたおじいちゃんが転んだようだ。駆け寄った子どもたちは、おじいちゃんの手を取り、抱きかかえるように歩道まで運び出した。「大丈夫ですか」と声を掛けたのだろうか。おじいちゃんがうなずく様子が見えた。ほんの1~2分の出来事だった。

 近所の小学校の児童は、登下校の時に「おはようございます」「こんにちは」と元気な声を掛けてくれる。返事に息切れするほどの「あいさつ攻め」を喜ぶ人が多い。地域の人やお年寄りへのあいさつを身に付けた子どもたちは、こんなにも優しく育っているのだろうか。驚かされた。「帰って勉強しろ」とどやしてやろうと思ったが、取り消したそうだ。

 忘れやすいのも大人や政治の欠陥。G7広島サミットがきのう始まった。ウクライナ大統領の参加も、急きょ決まった。平和や非核に、どんな道筋をつくり守っていくか。一緒に注目しよう。(水)

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