多文化共生指針を策定へ 在留外国人増の中、ビジョンまとめる 苫小牧市

多文化共生指針を策定へ 在留外国人増の中、ビジョンまとめる 苫小牧市
多文化共生指針策定準備会議の初会合

 苫小牧市は外国人と共生するまちづくりを進めようと、「多文化共生指針」の策定を目指している。市内で暮らす外国人がこの5年間でほぼ倍増する中、国籍や民族など異なる人同士、互いの文化的違いを認め合い、共に生きていくために取り組む。市によると指針策定は道内でも初。2023年度に基本的な考え方や方向性を示す多文化共生ビジョンをまとめ、24年度に指針を策定する方針だ。

 市未来創造戦略室によると、市内在住の外国人は17年(12月末時点)は527人だったが、19年(同)は723人、20年(同)は821人、22年(同)は1019人と増加傾向。23年4月末現在1102人となっている。

 国籍別の内訳は、ベトナム312人、中国170人、韓国104人、インドネシア75人、ミャンマー65人など。在留資格は技能実習249人、特定技能183人など、外国人労働者が多い傾向だ。市の人口に占める外国人の割合は22年の0・61%に対し、30年には2・41%(4021人)に増えると予測している。

 市は22年度、外国人を雇用する市内事業者に聞き取り調査し、北洋大学の留学生にアンケートを行った。企業からは「日本の文化や習慣についての理解が課題(換気、騒音、交通ルール)」「外国人相談対応・イベントなどの情報発信を充実してほしい」などの指摘が寄せられた。

 留学生アンケートからは「大学以外で地域とのつながりがある学生は2割程度」「卒業後も日本で働きたい学生が多いが、苫小牧では少数」「苫小牧で人材不足の製造、建築、介護職などを希望する学生はいない」など、留学生と地域とのつながりの薄さをうかがわせる回答が得られた。

 また、市役所7階の外国人相談窓口で受ける相談の特徴としては「日本語学習の相談が増加傾向」「最近は保育園・幼稚園の入園関係、年金通知書の読み方や制度の説明、コロナ関連の給付金手続きなど内容が多岐にわたる」などがあり、幅広い対応が必要な実態が浮き彫りとなっている。

 22日に同指針策定準備会議を設置。初会合を市役所で開き、委員10人がさまざまな意見を挙げた。外国人の委員は「言語が一番の問題。慣れるまで大変」、日本語学校で勤務する委員は「市内の病院で日本語ができないと診てもらえず、たらい回しにされたと相談された」と述べた。

 市は、同会議を4回ほど開き、市民や企業、学校などの取り組みの基盤となる多文化共生ビジョンを今年度内にまとめる方針。座長に就任した北海道国際交流・協力総合センターの小田島道朗多文化共生チーム課長は「各分野の方の意見をまとめる手伝いをしたい」と話している。

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