次世代製品開発発信基地に
次世代半導体製造Rapidus(ラピダス、東京)の千歳進出に伴い、苫小牧市でも関連産業の集積、とりわけデータセンター(以下DC)実現への期待感が高まっている。22日のプロジェクト説明会で道や同社が示した「北海道バレー構想」は、苫小牧市に大型DCの展開を想定。さらに30日には経済産業省が、DC立地を本道と九州で促す方針を示すなど、デジタル分野を巡る動きは加速する。苫小牧ではDC誘致に力を入れてきたとあり、行政や経済団体などが行方を注視している。
北海道バレー構想は22日に千歳市で開かれた説明会で、同社の小池淳義社長、道の鈴木直道知事、土屋俊亮副知事が紹介した。苫小牧、千歳、札幌、石狩を線で結んで産業集積を図る意向で、小池社長は「北海道半導体センターみたいな形で、日本の次世代製品の開発発信基地にしては」と提案。このうち苫小牧は大型DCを展開し、世界とつながる国際海底ケーブルを接続。道はこの構想を踏まえ今夏までに、デジタル産業振興の方向性をまとめる。
苫小牧市はこれまで道と連携し、DCの誘致活動を進めてきた。同構想の浮上に産業経済部の木澤直子次長は「苫小牧市から石狩市のエリアで、半導体や関連産業の集積につながる」と歓迎する。現時点で具体的な情報はないとしつつ、「次世代半導体とDCは関連深い」と今後の展開を注視。同社は地元の大学や高専の学生を積極的に採用する意向も示しており、「道外に就職していた人材が道内や苫小牧で就職し、地元定着につながる可能性がある」と相乗効果に期待を寄せる。
企業進出増加にも期待
苫小牧商工会議所もDC誘致を本道の発展や、新たなビジネスの創出に必要と捉えてきただけに、末松仁常務理事は「バレー構想で苫小牧への企業進出の増加も考えられる」と喜ぶ。課題としては「人材の確保や育成をどうするか。若い世代が意欲を持って仕事をできる環境整備が必要」と指摘し、商議所として「進出してくる最先端の企業と、地域の中小企業をつなげるお役に立てれば。DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)化支援で、企業を下支えしていきたい」と話す。
大型DC実現の優位性があるのは、広大な土地を抱える苫東地域だ。工業用地を分譲する株式会社苫東の経営諮問委員会委員長、寺島実郎日本総合研究所会長は23日の同委員会後、「苫東のポテンシャルがようやくリアリティー(現実)になり始めた」と力を込めた。苫東への進出企業が従来の機械産業中心から、食や医療、エネルギーなどへ産業基盤の裾野が広がる現状に「柔らかく多様な立地。ラピダスとの関係にとっても、すごく重要」と断言。その上で「働く技術者が住みたいと思われる場所づくりも必要。技術者らへの魅力創出を、大いに検討していくべき」などと提言。ラピダスや北海道バレー構想をきっかけに、苫東のさらなる進化を展望した。
















