エゾシカ対策訴える JAとまこまい広域が農業振興対策協議会  安平

農業を取り巻く課題などについて意見交換した対策協議会

 とまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域、宮田広幸組合長)は8日、農業関係者と東胆振1市4町の首長らが意見交換する「農業振興対策協議会」を安平町の早来町民センターで開いた。生産資材の価格高騰、国による水田活用直接支払交付金の見直しなど農業者を取り巻く環境が厳しい中、近年急増しているエゾシカによる畑の被害を喫緊の課題として認識を共有。同農協と行政との連携強化を再確認した。

 同農協と1市4町のほか、胆振総合振興局やJA北海道中央会から関係者33人が出席した。

 会合では、首長らが口をそろえてエゾシカなどによる農業被害額が増えていることを指摘し、個体数調整の引き上げなどを訴えた。

 安平町の及川秀一郎町長は、「予算を上回る捕獲頭数に臨機応変に対応してほしい」と求めた。苫小牧市の木村淳副市長は、苫小牧署管内(東胆振1市4町)では昨年、エゾシカが原因の交通事故が全道最多の560件発生していることに言及し、対策を訴えた。

 宮田組合長は「エゾシカの被害は年々増えており、町やJAが手を携えてどうにかなるレベルではない。国や道の応援がなければ対応し切れない事態」と危機感を共有。胆振総合振興局の勝藤彰・地域産業担当部長は「皆さんとの議論を深めながら、対応していきたい」と話した。

 このほか、同振興局からは、高病原性鳥インフルエンザの発生が昨年、白老町、厚真町、伊達市の農場で相次ぎ、80万羽以上を殺処分したことを踏まえ、防疫マニュアルを今年度中に改正し、初動体制や防疫体制の充実・強化を図ることが報告された。胆振農業改良普及センターからは、1日時点の農作物の生育状況について「平年よりやや早め」である一方、「異常気象を注視していく」と説明があった。

 また独立していた安平町酪農ヘルパー利用組合、胆振東部乳牛検定組合の事業を、1日に同農協に移管したことを報告。引き続き行政に支援を呼び掛けた。

 

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