美術博物館のアイヌ遺骨方針案に反対の声 苫小牧市教委

美術博物館のアイヌ遺骨方針案に反対の声 苫小牧市教委

 苫小牧市教育委員会は9日、市美術博物館で保管しているアイヌ遺骨3体の取り扱いに関するパブリックコメント(意見公募)の結果を公表した。4月28日~5月27日の募集期間に寄せられた意見は、4人から8件。地域の関係団体から遺骨返還希望の申請がなかった場合、白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)内の慰霊施設へ移す方針案に反対する声が目立ち、同館は「苫小牧アイヌ協会や市内のアイヌ関連団体と協議し、遺骨の取り扱い方針を決めたい」としている。

 市が策定した方針案は遺骨に関する情報を周知し、出土地域のアイヌ関係団体から返還の希望があった場合は適切か見極めた上で返還するが、6カ月以内に返還申請がなかった場合はウポポイ内の慰霊施設に移す内容。遺骨と共に見つかった副葬品については同館で保管を続けるとしている。

 方針案は「当該出土地域のアイヌの人々の意向をあらかじめ確認することが必要」とする文化庁のガイドラインに基づき、同館が苫小牧アイヌ協会と協議して策定したという。

 PBでは「白老町の慰霊施設へ移すことは反対」「遺骨、副葬品を分けて保管は反対」「出土地近隣の苫小牧市が管理する墓地へ埋葬するのがよい」「苫小牧市、苫小牧市有地に保管すべき」「出土した場所へ再埋葬すべき」といった反対意見が5件あり、情報周知期間の短さや遺骨の情報量の少なさに関する指摘も2件。「苫小牧アイヌ協会と協議を行ったとあるが、苫小牧にある他のアイヌ関連団体との協議が十分にされていないのでは」という声も1件あった。

 同日、市役所第2庁舎で開かれた教育委員会会議の中で公表され、委員らからもさまざまなアイヌ団体がある中、協議相手が苫小牧アイヌ協会だけであることを疑問視する声が出た。反対意見を提出したアイヌ文化伝承団体「苫小牧うぽぽ」の佐々木義春会長は5月中旬、同館を訪れ、協議対象にならなかったことに抗議。「(慰霊施設について)どんな風に骨があるのか見たことがない所に骨を預けられない」と申し入れており、市や同館は慎重に考えていく方針だ。

 遺骨3体はいずれも成人男性で、江戸時代以前のものと推定される。それぞれ1954年に植苗、63年に美沢、82年に静川で発見され、85年から同館地下の収蔵庫で保管してきた。

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