苫小牧市明野新町の苫小牧泌尿器科・循環器内科(林謙治院長)が、前立腺肥大症の新しい治療法「WAVE治療」を導入した。高温水蒸気の熱で前立腺を退縮させることで、施術時間の短縮や出血を抑えることを可能にした、体への負担が少ない低侵襲医療。高齢者などリスクの高い患者にも対応し、林院長は「前立腺肥大症治療の選択肢が広がった」と強調している。
前立腺は男性のみにある臓器。ぼうこう下の尿道を取り囲み、精液の一部となる前立腺液を分泌し、精子の運動を助けている。50歳以上になると疾患が増え、前立腺肥大症は尿道を圧迫して排尿障害などを引き起こし、林院長は「札幌医科大の前立腺検診の報告では5人に1人が罹患(りかん)。当院も年々、患者数は増えている」と説明する。
そこで注目したのが「WAVE治療」。尿道から内視鏡を入れて前立腺に針を刺し、温度103度の水蒸気を送り込んで9秒間噴霧し、その熱で肥大した組織を壊死させる。水蒸気は体温で冷やされて水に戻り、壊れた細胞も2~4週間で体内に自然吸収される。施術時間は15分ほどで、術後約1週間で退院できるという。
米国では10年ほど前から行われてきたが、日本では昨年9月から保険適応になった。同院は胆振・日高では最初となる今年1月、米ボストン・サイエンティフィック社製の機器を導入し、施術実積もすでに10例程度。林院長は「患者さんからの満足度は高い」と手応えを口にする。
これまで患者の約8割は薬物療法で快方に向かうが、重症の場合は手術をしてきた。電解質溶液を用いた前立腺切除術を採用し、1時間近い施術時間と10日ほどの入院が必要だったといい、「切除による出血も多く、高齢者や抗血栓薬を服用する方など、難しい場合が多かった」と振り返る。WAVE治療の導入で「患者の症状を少しでも早く緩和していきたい」と話している。
















