ダイナックス創業50周年  伊藤和弘社長に聞く 未来見据えて成長 新事業挑戦へ積極的に種まき

ダイナックス創業50周年  伊藤和弘社長に聞く
未来見据えて成長 新事業挑戦へ積極的に種まき
未来を先取りした事業展開を語る伊藤社長

 自動車部品クラッチ板製造の国内最大手ダイナックス(千歳市、伊藤和弘社長)は26日、創業50周年の節目を迎える。1973年の設立以降、苫小牧、千歳に製造拠点を構え、国内外の自動車メーカーを支え、地域と共に発展を続けてきた。今後の展望などを伊藤社長に聞いた。

 ―50年を振り返って。

 「企業スピリットの『未来を今に』を体現し、未来を先取りしながら成長してきた50年だった。

 その一つが苫東地区への進出で、91年8月に最初の工場が完成した。苫小牧にその後トヨタ自動車北海道が進出し、93年に直接納入が実現したのも、先に居を構えたからこそだと思う。

 2012年に自動車の電動化を見据え、北海道大学と産学連携でインホイールモーター(IWM)の研究開発を始め、その後10年で一気に電動化の波が来た」

 ―現在の生産動向や企業活動は。

 「クラッチ板生産は昨年、半導体不足の影響で微減だったが、今年は半導体流通の回復が見込まれ、受注が増えている。24、25年は緩やかに減少するか、横ばい傾向だと思う。来年以降はIWMや電気自動車、ハイブリッド車のクラッチ部品の製造が立ち上がるので、期待したい」

 ―脱炭素への取り組みも活発。

 「30年までに19年度比46%の二酸化炭素(CO2)削減を掲げた。今年11月の運用開始を目指す苫東地域の大規模太陽光発電設備(メガソーラー)で、CO2の7・2%削減を見込む。苫小牧工場では来年1月、木質バイオマスボイラーも完成予定で、CO2を9・3%削減する予定だ。

 秋には苫小牧、千歳各工場の社員駐車場計3万平方メートルにソーラーカーポートを着工する。既存工場の屋根にもソーラーパネルを随時、設置するつもりだ」

 ―ワイン生産やキャンプ場運営など異業種参入にも積極的だ。

 「いずれも社員から業種の垣根を越えてやってみたいことを募る『夢創造プロジェクト』で採用した。ワインは安平町、キャンプは厚真町の大沼野営場と、胆振東部地震で被災した地域。商品開発やキャンプ施設の充実を図り、まちおこしにつなげていく。

 ワインは22年にブドウの苗木3000本の植樹が完了。今年は1万本、来年は1万5000本を植える。販売免許の取得に必要な年間6キロリットル以上の醸造体制を整え、ワイナリー建設に入る。安平町特産品の一つがチーズで、ワインとの相性は抜群。早ければ25年に販売を始めたい。

 ソロキャンパーに人気の大沼野営場は、4月28日から指定管理者として運営している。トイレ、炊事場の増設や家族ら団体向けの利用スペースなどを整備していく。厚真町に多く人を呼び込みたい」

 ―10年、20年先を見据えている。

 「常に未来を先取りするために積極的な種まきが必要。五つほどの新事業の可能性を探っている。来年1月には事業として成立するかどうかを発表する段階。ゴーサインが出ればワイン、キャンプに次ぐ異業種プロジェクトとなる。

 クラッチ製造に関わるコア技術も、無限の可能性がある。今年4月に次世代商品開発部を立ち上げ、応用できる新商品の開発に着手している。例えば地震時に高層ビルの揺れを抑える免震ダンパー。弊社の摩擦材を生かせないか、メーカーとやり取りしている。

 次世代半導体製造Rapidus(ラピダス)の千歳進出も興味深い。一大国家プロジェクトで、われわれにもできることはないか、考えを巡らせている」

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