水質向上へ微生物調査 来年度から実証実験 苫小牧

水質向上へ微生物調査 来年度から実証実験 苫小牧
高丘浄水場のろ過池から水のサンプルを採取する市職員

 おいしい水道水の安定供給に向けた共同研究に取り組む苫小牧市、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林、札幌施設管理(札幌)の3者は、市の高丘浄水場(高丘)や水源の幌内川、勇払川で水質調査を始めた。水質向上を目指し来年度から実証実験を行う予定で、不純物を取り除く微生物の種類や数、環境への影響などを細かく分析し、データとしてまとめる。

 同浄水場が採用する「緩速ろ過方式」は川の水をろ過池にため、砂利層や微生物を繁殖させた層を経てきれいにする仕組み。薬品の使用を抑えられる一方、地球温暖化に伴う微生物による悪影響が懸念され、3者は5月に連携協定を結び、微生物の働きに注目した共同研究に着手した。

 22日の調査初回には市、研究林、札幌施設管理から計6人が参加した。

 浄水場内のろ過池や勇払、幌内両川源流部付近、幌内ポンプ場などを巡り、表層を流れる水や地下水など計7種類の水質サンプルを2リットルずつ採取。その後、研究林事務所で専用の自動ポンプ機器も使い、各サンプルの微生物を解析しやすいようフィルターで集めた。

 生物技研(神奈川県相模原市)にDNA解析を依頼。結果を踏まえ、微生物の生態学が専門の研究林の植竹淳准教授が微生物が活発に活動する条件やマイナス要因などを検証する。

 サンプル採取は月1回実施していく予定。植竹准教授は「こうしたデータはこれまでになかった。季節による微生物の活動の違いもしっかり検証できるので、今後の対策に生かしやすい」と語る。

 配水池のロボット清掃を手掛ける札幌施設管理の安井国雄水道専門官も「来年度以降の実証実験も見据え、自社のノウハウを生かした提案をしていきたい」と意気込む。

 同浄水場の八木康年場長は「おいしい水にはきれいな川や微生物の力が必要であることを発信し、自然を大切にする機運を高めていけたら」と話す。

 実証実験については水中の微生物データの解析結果を踏まえ、水質向上や浄水処理コスト縮減に向けた実施内容を固め、来年度に着手する見通し。

 3者の協定期間は2年だが、期間の延長も視野に入れている。

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