CO2再利用へ道筋示す 石油資源開発とデロイト 苫小牧は「ハブ&クラスター」最適地

CO2再利用へ道筋示す 石油資源開発とデロイト
苫小牧は「ハブ&クラスター」最適地

 苫小牧市で二酸化炭素(CO2)を有効利用するカーボンリサイクルの事業化を目指し、2021、22年度に「苫小牧産業間連携検討会議」を設置して議論を重ねてきた、石油資源開発(東京)とデロイトトーマツコンサルティング合同会社(同)は4日、「カーボンリサイクルシナリオ」を発表した。カーボンリサイクルが実現した50年の青写真と、28年以降の導入ロードマップを示し、「今後も産業間連携の取り組みを促進し、カーボンリサイクル技術の社会実装実現に貢献する」としている。

 両社は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンリサイクル拠点実現可能性調査」(21、22年度)を受託。道や市、市内の各事業所など、43企業・団体の参加による同検討会議を設置し、カーボンリサイクル技術の拠点化に向けた機運を醸成しつつ、産業間連携の可能性などを議論してきた。同技術を社会実装するための課題を洗い出し、将来ビジョンと導入シナリオをまとめた。

 多様な産業が集積する苫小牧地域では、18年度の各種統計資料に基づき、CO2排出量を年間約1286万トンと試算。化石燃料由来が大半を占め、石油260万トン、石炭188万トンなど。CO2を分離、回収、利用、貯留する技術「CCUS」の事業化に向け、排出事業者と利用者の複数地点を結ぶ「ハブ&クラスター型の最適地」と訴える。CO2が集まりやすいことで、安価に資源調達できる可能性も挙げた。

 カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ、CN)実現の50年には、CO2を分離、回収、貯留するCCSに100万トン、水素とCO2から天然ガス主成分のメタンを合成する「メタネーション」に56万トン、持続可能なバイオ航空燃料(SAF)に133万トンなど、CO2年間利用量は297万トンと想定。供給エリアの拡大や熱需要の代替で、最大557万トンの需要があると予測し、経済性が成立しやすい技術から、積極的にCO2を利用拡大する重要性を説いた。

 一方、課題として、地域内で展開される脱炭素に向けた取り組みが、現時点で個々に動いている点を挙げ、「CCUSを通じて産業間が連携することで、CNを加速させることができる。地域内のコンソーシアム(企業連合)組成や取りまとめ役が必要」と提言している。

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