公衆衛生学を専門とする北海道医療大の塚本容子教授が4日、苫小牧市内のホテルで開かれた山岡達丸衆院議員の国政セミナーで、新型コロナウイルス感染症をテーマに講演した。塚本教授は約300人を前に、所得差などで生じる健康格差社会の課題を示しながら、ワクチンの継続接種の大切さや、免疫低下を防ぐため場面に応じた「脱マスク」を訴えた。
塚本教授は、5月8日にコロナが感染症法上の5類に移行したことで、検査などに自己負担が生じている現状を説明。特に治療薬(抗ウイルス薬)の公費支援が9月末で終わることについて、「抗ウイルス薬は5日間の処方で6~7万円と高価で、保険適用になっても結構な負担」と指摘。低所得者を中心に「投薬治療を選択しない方が出てくると感染流行につながりかねない」と懸念を示した。
また、約3年間の徹底した感染拡大防止策の弊害として、外出頻度の減少で高齢者の歩行障害、認知機能低下のリスクが数倍上がったことを挙げた。自宅に閉じこもりゲームやSNS(インターネット交流サイト)利用など「スクリーン時間」が多くなった若者世代にも言及し、「海外の研究では17歳時の体力が40代以上の社会的成功につながるとされる。北海道の子どもたちは全国的に見ても体力数値が低い。積極的に運動する大切さを知って」と呼び掛けた。
ワクチン接種については「後遺症予防に一番効果のある手段」と強調し「コロナはデング熱(4類)と同じで、発症すると良い免疫だけではなく、悪い免疫も体内で作られる。ワクチンによって良い免疫を足す必要がある」と訴えた。
さらに、マスク着用で白血球やその中の好中球といった各種免疫細胞が減少することをインドの研究を基に紹介し、「場面を見極めながら積極的に外していかないと、免疫機能が低下してしまう」と解説。悪玉菌が多い人ほど感染症を発症しやすいとして、7割の免疫細胞が集まる腸内環境を整える必要性も説いた。
















