身寄りがない人への社会的支援の在り方を考える研修会が13日、苫小牧市民活動センターで開かれた。介護や福祉、医療の現場で働く約100人が参加。緊急時に必要となる当事者の情報を事前に集め、支援者間で共有するツールとして市など主催者側が試作した「支援シート」を用いたグループワークも行われた。
市、市社会福祉協議会、とまこまい成年後見支援センターの主催。家族関係の希薄化などで身寄りのない人を取り巻く環境が厳しさを増す中、市内東部の地域包括支援センターの問題提起により5月、初の研修会が実施された。
2回目のこの日は、身寄りのない高齢女性を支援対象者とした架空の事例を軸に展開した。高齢女性については▽要介護1▽賃貸契約でアパートに住む▽夫は死去▽障害のある息子が市外の施設に入所▽亡くなった兄の妻が市内に住む▽ペットは猫3匹―といった断片的な情報を参加者に提示。市職員が本人やケアマネジャー役となり、詳細な情報を聴き取る面談の様子を寸劇で演じた。
この女性が急に入院し、今後の支援方法を協議する関係者会議を開く場面ではケアマネジャーが事前に集めた情報により、息子の入所施設やアパートの大家、ペットの預かりボランティアなどさまざまな人たちからスムーズに協力を得られる様子が紹介された。
寸劇を見ながら「支援シート」に女性の情報を書き入れ、記入内容を確認し合うグループワークも実施。支援シートは緊急連絡先や預貯金、生命保険など万が一のときに必要になると思われる情報を支援者側で事前に把握するツールとして主催者側が試験的に作成したもので、参加者からは「延命治療の項目はもっと検討が必要」「一度の面談ですべての項目を埋めるのは難しい」といった意見も出た。
市は今後も対人支援に携わる人に試作シートの活用を促し、寄せられた意見を基に完成を目指す考え。市介護福祉課の担当者は「身寄りのない人が抱える問題のすべてを解決することは難しいが、事前に情報を得ておくことで少しでも本人の意思に沿った支援を実現できれば」と話す。
















