旅客7割まで回復 新千歳国際線再開から1年

新千歳空港国際線の月別旅客数推移

 新千歳空港の国際線旅客定期便は、新型コロナウイルス禍を経ての運航再開から、17日で1年を迎えた。政府のコロナ水際対策緩和と歩調を合わせ、アジア圏の各都市との間で復便が相次ぎ、旅客数は「コロナ前」の7割程度まで回復。今月から中国本土との直航便も戻り、インバウンド(訪日外国人旅行者)の本格回復に期待が掛かる。一方、コロナ禍の打撃が尾を引き、グランドハンドリング(地上支援業務)の人手不足が課題となっている。

中国本土便再開で弾み
 新千歳の国際線はコロナ禍で、2020年3月25日のホノルル線を最後に定期便の運航ゼロが続いたが、22年7月17日に韓国・仁川線が約2年4カ月ぶりに再開した。当初は入国制限の上限やビザ(入国査証)取得など、厳しい水際対策で旅客需要は回復しきらず、再び運休を決断する航空会社も。旅客数は同7月が約2500人、同8月が約5600人、同9月が約1100人と苦戦した。

 復便の再開、旅客需要回復の本格化は、同9月7日に政府が水際対策をさらに緩和して以降。韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール各都市との直航便が続々と再開し、本道冬の観光シーズンや年末年始に合わせ、インバウンド需要が急拡大した。中華圏の旧正月「春節」休暇のあった今年1月、月別旅客数はコロナ後ピークの24万9649人に。4、5月は春節特需が一段落したが、夏の本道観光シーズンに向けて、今月は中国本土便が約3年4カ月ぶりに相次いで再開。8日に上海線、11日に北京線が復活した。

 新千歳の国際線はコロナ前、九つの国や地域と結び、月800便以上を運航。中でも中国本土便は北京や上海、天津、南京など10路線、週71往復の運航で最多の利用だった。新千歳を管理・運営する北海道エアポート(HAP)は「国際線はコロナ前のほぼ7割まで戻ってきた。徐々にだが回復の手応えを感じている」と説明し、中国本土便の再開に「より多くのお客様が新千歳を利用していただけるよう取り組む」と強調する。国際線では22年度に埋設管給油方式、ハイドラント設備の拡張を完了し、今年度はアジア富裕層の利用増を見込み、ビジネスジェット専用施設を新設中など、「反転攻勢」の態勢を着々と整える。

人手不足が課題に
 ただ、新千歳のグランドハンドリング不足は課題で、再開や増便の足かせとなりかねない現状だ。上海線を再開した春秋航空の李剣専務取締役も「徐々に増便したい」としつつ「新千歳は昼が混雑し、ハンドリングの対応が難しい」と指摘する。空港内従業員数(年度当初)は、国内線ターミナルビルのリニューアルを終えた11年以降、旅客需要と比例して右肩上がりで、20年度は約9000人に達したが、コロナ禍が直撃した21年度は8054人と10年ぶりに前年割れ。22年度は2年連続減の7671人で、ピーク時と比べて2割弱も減った。

 HAPや関係企業・団体は一丸となって、学生をターゲットにした仕事のアピールイベントを開いたり、合同採用ホームページを開設したり、対策に力を入れて人手の確保に努めているが、HAPは「少しずつ集まっているが、まだまだ足りない」と危機感を募らせる。23年度の国際線旅客目標を、コロナ前の19年対比で61%に回復すると見込むが、人手不足の影響は今冬まで続く可能性もある。

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