「認知症見守りたい」の企業版養成講座スタート 苫小牧市

「認知症見守りたい」の企業版養成講座スタート 苫小牧市
企業版見守りたい養成講座で、講師の説明に耳を傾ける従業員ら

 苫小牧市は今年度、認知症の当事者や家族を地域全体で支援する市民「認知症見守りたい」を増やすため、企業版「見守りたい」の養成に乗り出した。従来の一般市民向け講座で伝えてきた認知症に関する知識・支援施策に加え、企業の業態に応じた見守りの視点や方法などを紹介。13日、明治安田生命保険苫小牧支社(若草町)で企業版の講座が初開催され、従業員50人が「見守りたい」となった。

 高齢化社会の加速により認知症患者が増加する中、全国各地で認知症について正しい理解と知識を持つ認知症サポーターの育成が進められてきたが、苫小牧市はサポーターの中から、困っている当事者や家族を専門機関などにつなぐ「認知症見守りたい」を養成する事業に着手。2016年度の事業開始から約200人の「隊員」を誕生させた。

 今年度は「見守りたい」の拡充へ、企業単位での養成講座をスタート。会社全体で認知症の正しい知識の普及に取り組み、従業員の大多数が認知症サポーターとなっている同支社の協力で同日、初めて企業向けの講座が開かれた。

 講師は、市南地域包括支援センターの管理者で市認知症地域支援推進員を務める桃井直樹さん。高齢者人口の増加で公的な介護サービスだけでは高齢者を支え切れない時代が訪れるとした上で、認知症が重度化し深刻な問題が起きてからの対処ではなく、「困り事に周りの人がいち早く気付き、軽度なうちに適切な支援につなげることで本人や介護現場の負担を軽減できる」と説いた。

 保険商品の紹介や契約内容の確認といった日常業務がある同社従業員の立場から顧客の様子や言動に違和感がないか―という視点を持つことの大切さも強調。「困っている様子に気付いたら地域の包括支援センターにつないだり、市が行っている支援事業を紹介したりしてほしい」と呼び掛けた。

 同支社の向井達也営業部長は「顧客の高齢化は年々進んでおり、請求などの手続きができなくなるといったケースもこの先確実に増える」と指摘。「顧客と近い距離感で仕事をする立場として違和感に気付いた際は地域包括支援センターなどと連携し、適切な対応に当たりたい」と述べた。

 市は今後も、市内の企業からの要請に応じて企業版の見守りたい養成講座を開いていきたい考え。市介護福祉課は「小売店や配送業など、高齢者と接する機会の多い職場に見守りの目を増やし、安心して生活できる地域づくりを進めたい」としている。

 見守りたいに関する問い合わせは同課 電話0144(32)6347。

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