苫小牧市ヤングケアラー支援条例 制定作業進む

苫小牧市ヤングケアラー支援条例 制定作業進む
ヤングケアラーの周知や理解を進める方法を話し合う高校生ら

 苫小牧市が2024年4月の施行を目指す苫小牧市ヤングケアラー支援条例の制定作業が進んでいる。家族の世話などを日常的に担う子どもを地域全体で支えるため、行政や関係機関の役割を明示する条例で、19日、市職員会館で開かれた同条例検討部会(岡田秀樹部会長)で骨子案が示された。ヤングケアラーを若い世代に周知するためのアイデアを高校生から聞く座談会も行われた。

 ヤングケアラーは、本来大人が担う育児や介護、家事といった家庭内の仕事を日常的に行う18歳未満の子ども。市はこのような状態の子どもを孤立させることなく、適切な支援につなげる地域づくりに向け、全国でも珍しいヤングケアラーに特化した条例の制定を計画する。

 条文の作成は5月、市子ども子育て審議会内に発足した同条例検討部会で行っている。2回目の会合となったこの日は、事務局の市こども相談課が条例の骨子案を示した。担当者は「ヤングケアラーに気付く、見守る、ひとりにしない」という基本的な考えの下、▽市▽保護者▽関係機関▽市民▽学校がそれぞれの立場から、周知や啓発、体制整備、交流の場づくりなどを担う―という構成を予定していることを説明。ヤングケアラー本人や家族の意向を尊重しつつも、子どもの権利や利益を守る上で必要な手助けを地域ぐるみで進めるための条例にしたいとの考えを示した。

 委員からは「当事者にも分かりやすいような表記の工夫を」「子どもの権利の表現をさらに踏み込んだものにしてもいいのでは」といった意見が上がった。

 市は条例を効果的に推し進めるため若い世代への周知・啓発にも力を入れ、18日には高校生からアイデアを聞く座談会を苫小牧総合経済高校で実施。生徒会執行部の生徒4人と、同検討部会委員を務める北海道ヤングケアラー相談サポートセンター(江別市)の加藤高一郎センター長が対談した。

 加藤センター長は基礎知識や道内の実態を説明。生徒たちからは「SDGs(持続可能な開発目標)のように、新しくてもすぐに浸透した言葉もある。参考にしてはどうか」「若い人が使うSNSに投稿したり、コマーシャルを流したりしては」「有名なアニメとコラボレーションしたら、みんな見ると思う」などのアイデアが出された。

 生徒会長の安念温菜さん(3年)は「家族のことは家族で頑張ろうと思う人は多いと思う。子どもも大人もヤングケアラーについて積極的に知ろうとし、相談できる人や場所を増やす必要があるのでは」と話していた。

 市は9月までに条例の素案とガイドラインをまとめ、10月中に市民からの意見公募(パブリックコメント)を行う予定だ。

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