苫小牧地域で二酸化炭素(CO2)を分離、回収、貯留する技術「CCS」の事業化を進める石油資源開発(東京、JAPEX)、出光興産(同)、北海道電力(札幌市)は19日、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の「先進的CCS事業の実施に係る調査」の業務委託契約を同機構と締結したと発表した。2030年までにCO2貯留量年間150万トンを目標とし、事業化に向けた設備や費用の概算を今年度中にまとめる。
3社が役割を分担しながら事業を進める。石油資源開発は勇払油ガス田などで原油・天然ガスを生産し、パイプライン輸送や地下調査、掘削などに精通する実積を踏まえ、貯留候補地の選定や地下圧入、モニタリングに必要な設備の検討など中心を担う。
16~19年に実証事業で苫小牧沖の海底に30万トンのCO2を貯留した日本CCS調査(東京)やJOGMECの知見も生かすといい、石油資源開発は「受託できたことは非常に光栄。30年の事業開始に向けた第一歩になる。着実に進めたい」と強調する。
道内唯一の製油所である出光興産北海道製油所(苫小牧市真砂町)、道内最大の石炭火力発電所がある北電苫東厚真発電所(厚真町)はCO2排出源として、CO2を分離、回収する設備の規模や仕様を検討していく。
出光は「引き続き石油製品の安定供給を行いながら、事業実現に貢献したい」、北電は「本道におけるカーボンニュートラル実現に最大限挑戦していく」とそれぞれ説明する。検討結果は今年度中に取りまとめ、JOGMECに報告する予定だ。
苫小牧CCUS・ゼロカーボン推進協議会の会長を務める岩倉博文苫小牧市長は「当市における(CCSに有効利用の「U」を加えた)CCUS事業化への重要なステップになる」と期待のコメントを出し「皆さまのご理解をいただきながら、ゼロカーボン産業都市の実現に取り組む」としている。
3社は今年1月に苫小牧市や周辺でCCUS事業化の共同検討を開始。50年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)達成に向け、排出事業者と利用者の複数地点を結んだハブ&クラスター型を将来像とする。JOGMECが3~4月に公募したCCS事業の委託調査業務に応募し、6月に決定した国内外7カ所の候補地の一つとして道内で唯一選出されたが、正式契約には至っていなかった。
















