障害の有無にかかわらず人々が同じ時間を共有するイベント「いけまぜ夏フェスin苫小牧」が29、30の両日、苫小牧市錦西町の北洋大学で開かれた。コロナ禍で実行委員会の立ち上げから4年越しのフル開催となり、待ちわびていた障害児や家族ら約1000人が来場。新たな出会いや懐かしい人との再会を喜びながら、ものづくりや音楽、花火などを楽しんだ。
障害児の積極的な活動を支援する会「にわとりクラブ」(事務局・札幌)が主催。とまこまい脳神経外科の小児脳神経外科医髙橋義男医師の提唱で1997年に始まり、開催地を変えて毎年実施している。地元実行委が主幹し、昨年のプレ開催を経て今回のフル開催につなげた。
札幌、網走、鹿児島県など道内外から約160組の親子らが参加。運営を支えるボランティアサポーターは約600人に上り、うち市民が400人ほどを占めた。
29日は開会式で来賓の岩倉博文市長が「苫小牧は支え合い助け合う、福祉のまちづくりにチャレンジしている」とあいさつ。アトラクションとして、和太鼓グループ「苫小牧創作芸能研究会樽前ばやし」の演奏に合わせ、永原亮さん(27)=札幌=が車いすのまま大きな筆を操って今回のテーマ「熱く」の文字をしたためた。
会場にはホッキ貝の殻を使った置物作りや太鼓、ギターなどの楽器演奏、大型の重機や消防車の見学、マジックショー、テニス体験など32のブースが並び、子どもらは目を輝かせながら自由に巡った。
ホッキ貝や樽前湧水豚など地元食材を使ったカレーライスに舌鼓を打った後は駐車場で恒例の打ち上げ花火大会。「ドン」と空気を震わせて大輪が夜空に咲くたびに歓声が上がり、会場は感動に包まれた。30日もミニ運動会で盛り上がった。
15年開催の夕張大会から、娘の優希さん(10)と毎回参加してきたという畑端里佐さん(47)=ウトナイ北=は「いけまぜは私にとって同窓会のようなもの。親同士、互いの子どもの成長を喜び合うことができた」と笑顔。サポーターとしてミサンガ作りのブースを手伝った苫小牧南高校の木村若奈さん(3年)は「障害の有無に関係なく、みんな笑顔で過ごしていたのが印象的。ミサンガが完成したら自分も一緒に達成感を味わえた」と述べた。
幼少期から参加し、今はにわとりクラブのメンバーとして運営に携わる難病・アペール症候群の加藤剛さん(26)=有珠の沢=は「人と人の相互理解は障害者だから、健常者だからと理屈で考えるのではなく、『この人の近くにいたい』という気持ちから始まるはず。いけまぜはそんなことに気付かせてくれる」と語った。
髙橋医師は「大都市に依存するのではなく、苫小牧の中で子どもたちのためにできることはたくさんある」と強調。「地域の力を知り、人と人がつながり合うきっかけになれば」と話した。
















