「旭館通」改め「いなり神社通」 町内会要望で 苫小牧

「旭館通」から「いなり神社通」に改称された市道と大町寿稲荷神社

 苫小牧市大町で大正から昭和にかけて64年続いた映画館「旭館」にちなんで「旭館通」と呼ばれていた市道が先月、「いなり神社通」に改称された。閉館から37年たって建物はすでに取り壊され、旭館通の名称を知る市民も少なくなっている現状を踏まえた。大町寿町内会(市町峰行会長)が昨年創祀(そうし)100年を迎えた大町寿稲荷神社にちなんだ名称への変更を市に要望し、実現した。

 いなり神社通は市道三条通線と国道36号に挟まれた延長284メートル、幅員5・45メートルの市道。大町寿総合福祉会館から東に約50メートル離れ、北から南への一方通行となっている。

 旧通り名の由来となった旭館は1922年、市内初の常設映画館として開業。戦後の映画黄金時代には、最大400人収容可能な劇場に立ち見客や行列ができるほど盛況ぶりだったがテレビ普及などに伴う映画産業の斜陽化で86年4月27日、64年の歴史に幕を閉じた。

 ただ、その後も旭館通の名は残り続けた。パチンコ店や呉服店、履物店、菓子店、自転車店、造園業などが連なるにぎやかな通りだったが近年、商店は減り、大町寿稲荷神社隣の旭館跡には共同住宅が建った。市町会長(73)は「コロナ禍で、閉店した飲食店もずいぶんあった」と寂しがる。

 同町内会によると、同神社は1922年9月、前浜の漁で網に掛かった金色のキツネの像をご神体に建立。家内安全、商売繁盛の福をもたらす神社とし長年、地域住民に親しまれてきた。

 「いなり神社通」という名称は創祀100年の昨年9月、老朽化したほこらや鳥居を住民有志らの寄付金で新調するなど節目を祝う中で浮上。同町内会が5月の定期総会で旭館通からの改称を議題にしたところ、全会一致で了承され6月、市に要望書が提出された。

 要望書は旭館がなくなってから40年近くが経過し、旭館を知る人も少なくなっている現状を指摘。同神社の創祀100年を節目とした通り名の変更を求め、市は7月12日付で正式に「いなり神社通」に改称した。

 市町会長は「神社への愛着を深め今後、創祀150年、200年と継続していく力になれば」と期待。神社通沿いの店舗を中心に新たな商店街(組織)を立ち上げる構想も描き、「地域のにぎわい創出につなげたい」と力を込める。

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