ロッテの走者をアウトにした瞬間、この日一番の大歓声が球場を包んだ。日本ハムの八回無死一、二塁の守り。飛球を捕った右翼手の万波が矢のような好返球で、タッチアップした走者を三塁で刺した。
深い当たりだったが、打球が上がった時は「鼻息が荒くなった」。フェンス手前から勢いをつけて三塁へ遠投。ショートバウンドにはなったが、三塁手清宮のカバーもあって併殺を完成。「きたら刺してやるぞと思っていた。素直にうれしい」
今季は補殺で魅せる場面が増えた。万波の強肩を警戒し、走者が進塁を自重することもあるほどだ。昨年からの経験で、捕球から送球までの流れに余裕が出てきたという。高校時代は140キロ台後半を投げる投手でもあった万波の、代名詞といえるプレーになりそうだ。
四回には19号ソロ。本塁打王争いで楽天の浅村に2本差に迫り、まだタイトルは諦めていない。「キングもそうだし、25本、30本というところへ積み重ねていきたい」。充実したシーズンを過ごす23歳の表情は明るかった。














