全国ベスト4「打倒王者」へ、一筋の光 駒大苫女子硬式野球部

全国ベスト4「打倒王者」へ、一筋の光
駒大苫女子硬式野球部
選手権大会でベスト4に輝いた駒大苫の部員(提供)

 駒大苫小牧高校女子硬式野球部は、兵庫県丹波市などで行われた第27回全国高校女子硬式野球選手権大会(7月22日~8月1日)で初のベスト4という歴史を刻んだ。茶木圭介監督は「練習の成果がしっかり試合で生きていた」と大会を振り返る。上位の壁を模索し続けてきたチームは、今回の快進撃で確かな手応えを感じ取った。

 3度目の挑戦となる夏の選手権大会。過去2回は、いずれも2回戦で敗退しているが、悔しさをバネにチーム一丸となって自ら課題を見つけ、解決に向けた話し合いを重ね、大舞台の土を踏んだ。

 1回戦の相手は山陽(広島)。緊張から動きが硬かったが、我慢の野球で流れをたぐり寄せて初戦を突破した。2回戦は春の選抜大会でベスト8の強豪、折尾愛真(福岡)と対戦。それぞれが自分のスイングをするよう意識し、9―8と乱打戦を制した。

 茶木監督は「2回戦の壁を越えたことで緊張の鎧(よろい)が外れた」と感じた。3回戦まで完封で勝ち上がってきた東海大静岡翔洋(静岡)も、ワンチャンスを物にして打ち崩し、3―2で勝利した。

 勢いづいた準々決勝、前年大会覇者の横浜隼人(神奈川県)と対戦。初回に先制されたものの、その裏に一挙4点を奪って逆転し、二回裏にも3点を追加。守っては相手打線を3点に抑え7―3で快勝した。

 準決勝の相手は春の王者・神戸弘陵(兵庫)。これまで3度対戦するも未勝利で、春の選抜では0―1と惜敗、雪辱を誓った相手。試合は二回までにミスからの手痛い失点で3点のビハインド。三回からリリーフした佐々木が粘り強い投球で神戸打線を抑え、五回、先頭の加藤が右越えに三塁打を放ち1死後、山藤の二ゴロの間に加藤がかえって1点を返した。七回も1死一、二塁と攻めて同点の好機を迎えたが、最後の一本が出ずに押し切られた。

 王者の壁を乗り越えることはできなかったが、茶木監督は「これまでは力の差が歴然としてあったが、内容は今回が一番良かった。次に向けて光が見えたように感じる」と分析。「ベストパフォーマンスでよく頑張ってくれた」と灼熱(しゃくねつ)のグラウンドで戦い抜いた選手たちをたたえた。

 創部から4年目で迎えた今大会。部をけん引し続けた3年生の背中を見て、1、2年生も「上級生のために」と奮起するなど、チームとしても成熟した。21日には、秋の全国女子硬式野球ユース大会が始まる。ユース大会で主将を務める篠崎芹(2年)は「選手権大会は3年生のおかげでベスト4まで進むことができた。ユース大会も頂点を目指して一戦必勝で勝ち上がり、先輩たちへ恩返しがしたい」と力を込める。

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