22日に愛媛県で行われた第50回全日本中学校陸上競技選手権大会の男子砲丸投げで、厚真中の大垣尊良(たから)=3年=が16メートル53の好記録で優勝した。大会記録更新はならなかったが終始安定した投てきを見せ、全国チャンピオンの座を勝ち取った。
砲丸投げには41人が出場。大垣は1回目こそ15メートル29に終わったが、3回目に16メートル53、4回目に16メートル49をマーク。2位の星川(山形・新庄)に69センチ差をつける圧勝だった。
7月の全道中体連で道中学記録の16メートル68を樹立。今回の全国大会では16メートル72の大会記録、中学生の全国記録17メートル85が視野にあった。「優勝はできると思っていた。目標は記録だった。プレッシャーもなかったし、楽に投げることができた」。暑さも気にならず、上り調子のままに投てきに集中した。雨模様の天候になったものの、滑るサークルは厚真の練習場と似ていて得意だったという。
身長1メートル77センチ、体重115キロ。陸上競技は高校総体やインカレで実績を持つ父の崇さん(40)の影響で小学4年から始め、5年生から本格的に砲丸投げに取り組んだ。コロナの影響で、力を試す小学から中学時代の大会は中止。昨年挑戦した全国中体連は入賞まで1センチ差の9位、悔しさだけが残った。
当面は10月にある2回の全国レベルの大会で17メートル85の日本記録更新を目指す。また、高校からは砲丸の重さが5キロから6キロへ。現在、6キロの投てきは14メートル70程度。「高校総体は1年生から上を狙いたい。これからウエートをやって対応できるように準備したい」と意気込む。胸の奥には「将来は世界で戦える選手に」という熱い思いもある。穏やかで冷静な口調から飛び出す高い目標は自己暗示にも聞こえる。

















