道内でも特殊詐欺の被害が後を絶たない中、地域ぐるみで被害を阻止しようと、苫小牧市民生委員児童委員協議会(苫民児協)と苫小牧署は今年度、連携して啓発活動に当たっている。コロナ禍で中断していた高齢者宅への合同訪問を4年ぶりに再開したり、地域のふれあいサロンに署員が出向いたりし、「身に覚えのないお金に関する連絡があったら警察に相談して」と呼び掛けている。
苫民児協と同署は1人暮らしの高齢者宅を訪ね、犯罪被害への注意を促す合同の取り組みを2014年度にスタートさせた。
一層の連携強化へ、同署は18年度、管内1市4町の民生委員協議会と「高齢者安全対策に関する協定」を締結。苫小牧では民生委員児童委員と署員が独居高齢者宅などを直接訪問し特殊詐欺、交通事故防止に力を入れてきた。
啓発活動は基本的に、市内に20ある民生委員児童委員協議会の地区ごとに実施。市内東部地域の北沼地区(佐々泰三会長)では6月、そろいの赤いジャンパーを着た民生委員児童委員と制服姿の署員が地域内を徒歩で移動し、事前にアポイントを取った高齢者宅を訪れた。中川拓也警部補は高齢者に「通常、急いでお金を要求する場面はありえない。そのような連絡は疑ってほしい」などと助言した。
地域内を移動中に出会う住民に対しても、積極的に声掛け。佐々会長は「皆さんも生活の中で何か心配なことがあったら、民生委員や警察に相談してほしい」と訴えた。
同じように地道な訪問活動を続ける地区がある一方、地域住民が集まるふれあいサロンに署員が出向き、特殊詐欺や交通安全の講話を行った地区もある。
豊川地区では、署員を講師に迎えた民生委員児童委員向け研修会を開催。特殊詐欺については知っていてもだまされてしまう人が少なくないことから、非通知の着信には応答しないことや、通話内容を録音する電話機の活用など具体的な対策を紹介した。
同署によると、22年に道内で認知された特殊詐欺の被害額は12億4000万円に上り、今年も6月までの半年間で1億4700円を超えたという。屋代圭介地域課長は「地域の実情に詳しい民生委員と一緒に活動することに意義がある」と強調。署員が制服で地域に出向くことで活動を「見える化」し、犯罪抑止効果も狙う。
各地区の啓発活動は9月上旬で終了予定。同協議会の松村順子会長は「今後も苫小牧署と力を合わせ、住みよいまちづくりに貢献したい」と力を込めた。
















