「手当ては、手で触ることが大事」―。厚真町内で行われている体操教室での一コマ。講師を務める高橋康夫さんが参加者にそう語り掛けた。
「手当て」と聞くと、ケガや病気などを処置する医療行為が浮かぶ人が多いと思う。しかし、実は自分自身に手を当てることで気持ちを落ち着かせたり、周囲の人に手を当てたり、当てられることでリラックスする癒やしの効果が得られるという古くからの言い伝えがあるとされている。
厚真町は5年前の胆振東部地震で大きな被害を受け、その後、新型コロナウイルス感染拡大による活動の自粛を強いられた。町民は目まぐるしく変わる社会状勢や環境の変化に振り回され、想像を絶するストレスを抱えながら生活してきた。ただ、町民一人ひとりが手を取り合って(手を当てて)困難を乗り越えてきたことを体操教室を通して感じた。
何かとストレスを抱えやすい昨今、ふとした時に自分や誰かに、そっと、優しく手を当ててみては。(石)









