低侵襲のヘルニア治療導入 傷口小さく、早期回復可能 王子病院の渡辺さん 日胆で初

低侵襲のヘルニア治療導入 傷口小さく、早期回復可能
王子病院の渡辺さん 日胆で初
FESS治療の術式を解説する渡辺さん(右)

 王子総合病院(苫小牧市若草町)の整形外科主任科長渡辺尭仁(たかまさ)さん(38)が、内視鏡による椎間板ヘルニア治療でより低侵襲の手法「完全内視鏡下脊椎手術(FESS)」を取り入れている。従来と比べて傷口や体への負担が小さく、早期の社会復帰も可能な手法で、同院によると胆振・日高地区で初導入。渡辺さんは「怖い、危ないと思われがちなヘルニア手術のイメージを変えたい」と話している。

 内視鏡を使ったヘルニア治療は、内視鏡下椎間板摘出術(MED)が一般的で、皮膚切開約2センチ、直径1・6センチの円筒を患部に差し込んで施術する。渡辺さんが導入したFESSは、MEDをさらに進化させた施術で注目されている。皮膚切開はわずか1センチほど、手術器具も直径8ミリと従来の半分のため、傷跡が目立たずに回復も早く、術後の痛みも軽いという。

 渡辺さんは各種研修会に参加し、道外の医療機関で手術見学するなど、精力的にFESSの知見を深め、2022年4月から同院で手術を始めた。これまで患者約50人を治療し、対象も20~70代と幅広い年齢層。施術時間は1~2時間といい、渡辺さんは「何より術後の回復が早い」と話す。

 さらに「従来の手法だと術後1~2日は傷口を痛がる方が多かったが、FESSの場合はほぼいない」と手応え。大半が手術翌日に退院するなど、仕事や家庭への影響を最小限にとどめているといい、「新しい治療法を広く知ってもらい、手術への不安解消につながれば」と期待する。

 今後は、主に加齢による脊椎変形で足のしびれや痛みが出る腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症、姿勢の悪さやスポーツ活動に起因する頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアなどにも、FESS治療を活用したい考え。「頸椎は特に術後の痛みに苦しむ方が多い。腰椎に比べて症例は絞られるが、少しでも患者の苦しみを和らげたい」と話している。

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