甲子園、忘れられない夜に

甲子園、忘れられない夜に
6回、2ランを放った佐藤輝(手前)と喜ぶ阪神の選手ら=14日、甲子園

 優勝へのマジックは1。極度の緊張感の中でも、阪神は戦い方を崩すことはなかった。岡田監督が考え、選手たちが実行し、結果を残してきた野球をそのまま遂行。先発投手がしっかり試合をつくり、中心選手が期待に応える。戦いぶりに自信がみなぎっていた。

 じりじりした展開が続いた0―0の六回。先頭の近本が出塁し、森下の安打などで1死一、三塁の好機。4番の大山がきっちり物にした。中堅へ運んだ飛球は犠飛には十分な当たり。貴重な先制点に「最低限だが、チームのために仕事ができてよかった」。続く佐藤輝は中堅へ強烈な一発を放った。2日連続の本塁打で、新人から3年連続の20号に到達。「最高。それだけ」。主砲2人が仕事を果たした。

 投手がストライクを投げるたびに、アウトを取るたびに、割れんばかりの声援が後押しした。「歓声のおかげできょうの投球がある」と先発の才木。7回1失点で流れを呼び込んだ。九回はもちろん岩崎。1点差に迫られたが、逃げ切った。

 18年の時が埋まった。ファンの思いが、選手の努力が結実した。6度宙に舞った岡田監督は「みんなで優勝を分かち合いたいと思う」と満面の笑み。悲願のリーグ制覇。忘れられない夜が甲子園に訪れた。

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