苫小牧市社協の犬猫預かり事業4年目 飼い主の支えに

苫小牧市社協の犬猫預かり事業4年目 飼い主の支えに
預かった犬を散歩させる市民ボランティア(提供)

 1人暮らしの高齢者らが入院する際、ペットの犬や猫を市民ボランティアが預かる苫小牧市社会福祉協議会の「犬猫一時預かり事業」が2020年8月にスタートしてから、丸3年が経過した。これまでに犬、猫合わせて74匹を預かり、不安の中にいる飼い主やペットらの支えとなってきた。市社協は人も動物も幸せに暮らせる社会の仕組みの一つとして、事業の定着と充実を目指す。

 同事業は入院などで犬や猫の世話ができなくなった人と、犬や猫の飼育経験があり、自宅でペットを預かって世話をすることが可能な市民ボランティアとをつなぐ仕組み。基本的には家族や知人らの手助けを見込めず、経済的な理由からペットホテル、ペットシッターといったサービスも利用できない高齢者を支援対象としている。

 預かる期間は最長3カ月程度。利用登録時には予防接種や避妊・去勢の有無などを確認するほか、預かっている間の餌代や医療費などは飼い主が負担するなど、一定のルールを定めて運用している。

 事業を始めた20年度の預かり実績は猫8匹、犬1匹だったが、21年度は猫24匹、犬3匹に急増。22年度は猫14匹、犬9匹、今年度も8月末時点で猫11匹、犬4匹を受け入れ、これまでの預かり数は猫57匹、犬17匹を数える。

 支援を必要としている利用登録者数は58人で、うち20人が万が一に備えての事前登録。一方、支援する側の預かりボランティアは45人となっている。

 ペットの預け先がないことを理由とした入院拒否や、飼い主の緊急搬送で自宅に取り残されたペットが命を落とすケースが市内でも発生。地域の支え合いで問題解決を―と始まった事業だがボランティア側にとっても、預かった犬や猫との生活が生きがいにつながっている様子だ。

 ボランティアとして犬や猫を預かった経験を持つ若草町の女性(77)は「数年前に飼い猫を亡くした際、自身の年齢を考えると新たに飼うことはもうないと考えていたのでまた動物と暮らすことができ、楽しみをもらった」と明かす。

 市社協によると、「愛犬を亡くして心に空いた穴が、預かりを通して少しずつ解消されているよう」と打ち明けるボランティアもいたという。

 ただ、利用者の中には生活困窮などから、餌代やペットの治療費などを捻出できない人もいる。事業を担当する市社協の那須智孝さんは「事業を周知するとともに、市民にペット用品の寄付などを呼び掛け、事業の継続を図りたい」としている。

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