ラピダス工業用水の水源候補地は苫小牧 来月上旬正式決定 有識者懇 

ラピダス工業用水の水源候補地は苫小牧 来月上旬正式決定   有識者懇 
水源候補地は「苫小牧案がベター」とする総合評価をまとめた有識者懇話会の最終会合=28日午後4時ごろ、札幌市中央区

 2027年に千歳市の工業団地「千歳美々ワールド」で次世代半導体工場の本格稼働を目指すラピダス(東京)の工業用水確保のため、道が設置した有識者懇話会(座長・平本健太北大大学院教授)は28日、札幌市内で最終会合を開いた。水源候補地として苫小牧市の苫小牧地区工業用水道第2施設(安平川を水源)と、千歳市の千歳川の2案を比較した総合評価をまとめ、必要な水量確保や工期の短さなどから「苫小牧案がベター」との結論を出した。道では懇話会の提言を踏まえ「最終的な方針を早急に固めたい」とし、10月上旬に開会中の定例道議会で「水源候補地は苫小牧」で正式表明する見通しだ。

 3回目となった最終会合では、前回8案から絞り込んだ2案を比較して検討。総合評価として「ラピダスの量産開始までに必要な水量を確保できる可能性が高いのは苫小牧地区工業用水道」としたほか、▽苫小牧は水利権の取得や取水施設等の整備が不要なため、事業期間(工期)は千歳川より短期間▽千歳川は河川内の工事を実施するため環境影響を踏まえた調査・対策が必要だが、苫小牧は河川内の工事が不要―と苫小牧案の長所を挙げた。一方、事業費については「管路延長が短い千歳川がやや安価」とした。

 苫小牧案を選択した場合、整備(管)延長は約22キロ。JRなどの交差物は4カ所ある。送水ポンプ場と送水管の整備が必要で、事業費は170億~200億円の見込み。27年第1四半期(1~3月)の完成を目指し、事業期間は3年間(うち工期は約2年)。環境への影響では既存の取水施設などを活用するため「環境負荷が低い」としたが、「工事区間では騒音・振動を低減する配慮が必要」と提言。水利権は道企業局が単独で取得済みで未売水量から供給できるが、協議・調整事項として「給水区域の関係者への説明が必要」とした。

 非公開で開催した会合では、道によると構成員側から「今後の苫東への企業誘致に影響が出ないような配慮が必要」、「自然環境への影響がないように進めてほしい」などの意見が出たという。

 終了後、記者団の取材に応じた平本座長は、苫小牧案をベターとした理由について「必要水量の確保、工期が短い、コストもあまり変わらない(千歳川案は160億~190億円)」ことなどを挙げた。

■有識者懇話会の総合評価の骨子

・ 2027年のラピダス量産開始までに必要な水量を確保できる可能性が高いのは苫小牧地区工業用水道第2施設(安平川)

・ 苫小牧地区工業用水道第2施設(安平川)は、水利権の取得や取水施設等の整備が不要なため、事業期間(工期)は千歳川より短期間

・ 事業費は管路延長が短い千歳川がやや安価

・ 千歳川は河川内の工事を実施するため、環境影響を踏まえた調査・対策が必要だが、苫小牧地区工業用水道第2施設(安平川)は河川内の工事が不要(既存の取水施設等を活用)

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