苫小牧市は2日、介護認定や在宅介護用品支給の申請受け付けなど、介護保険の一部業務を日本ビジネスデータープロセシングセンター(本社兵庫県)に委託した。高齢化の進展で介護サービスのニーズが高まる中、民間のノウハウを効果的に活用することで事業の安定的な運用を目指す。市によると、道内自治体では珍しい試みだ。
業務を行う場所は市役所1階介護福祉課内の一角。委託する業務は(1)介護保険の窓口業務(2)介護認定に関わる業務(3)介護保険給付業務(4)電話やカウンターでの市民対応―など。
具体的な業務内容は、(1)が介護認定の申請や、居宅サービス計画の作成依頼届出書、福祉用具購入の申請などの受け付けや入力作業(2)が申請内容の確認や入力、主治医意見書の依頼や受け取り、認定結果の通知など。いずれも事務作業が中心で、介護認定業務の中でも介護サービスの必要度を把握する認定調査は従来通り市が行う。
市は介護保険業務の一部委託に向け昨年10月、公募型プロポーザルを実施。3社から提案を受け、道外自治体で介護保険関連業務をはじめ、障害者福祉や戸籍業務などの受託実績がある同社を選定した。
初日の2日、相談や手続きのために市民らが次々と窓口を訪れると、制服姿のスタッフが迅速に対応。同社公共福祉事業本部の牟田広宣次長は「窓口業務まで受託するのは、道内では苫小牧が初めて。来庁者には高齢者も多いので、笑顔を大切に、丁寧に寄り添った対応を心掛ける」と語った。
業務委託の背景には、高齢化の急速な進展がある。市の統計によれば、各年9月末時点の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は2002年が15・8%だったのに対し、15年には25・4%、昨年6月末には初の30%台に達し、今年8月末時点で30・4%に上った。今後も上昇傾向は続き、40年にはピークの34%に達する見通しだ。
これに伴い介護サービスを利用する要介護認定者が増え、市は介護保険サービスに関する業務量も増大すると予測。マニュアル化しやすい業務を民間委託することで安定的でスムーズな事業運営を継続するとともに、介護予防事業や介護事業者に対する指導・監督など行政が担うべき業務に力を注げるようにした。
同課の佐藤敦史課長は「全国各地で豊富なノウハウを蓄積した事業者なので、引き継ぎ作業もスムーズに進めることができた。民間活力によって市民サービスの向上にもつながれば」と話している。
















