苫小牧市錦岡の陶芸工房「樽前窯陶芸館」を主宰する陶芸作家小崎彩秋さん(89)が先月、日本工芸会の正会員に選出された。8月に国内最大規模の工芸公募展「日本伝統工芸展」で4度目の入選を果たし、入会資格を満たした。念願をかなえた小崎さんは「今年入選できると思っていなかったので、選ばれた時は夢のようだった」と喜ぶ。
今回の入選作品は直径39センチ、高さ37センチの「練上縮緬壺(ねりあげちりめんつぼ)」。小崎さんが独自に編み出した、特殊な道具で陶器の表面に布地のような波線模様を付ける技法が用いられている。
小崎さんが陶芸と出合ったのは、北海道学芸大函館分校(現在の北海道教育大学函館校)時代。当時は手びねり(粘土を指先で伸ばしながら形を整えていく技法)で作っていたが、1964年に陶芸研究で愛知県瀬戸市を訪れ、ろくろの魅力に取り付かれたという。
小学校教員を続ける傍ら独学で技術を磨き、修行で陶芸のまち、栃木県益子市などにも出向いた。
同展には2002年までに3度入賞し、正会員へ「あと一歩」に迫っていたが、その後は落選が続いた。13年以降は体調不良で出品を見合わせていた。
しかし、10年ほど前から朝食後1~2時間の睡眠を取り始めると体調は徐々に回復。気力、体力共に取り戻した小崎さんは昨年同展への出品を再開し、今年1月には米寿を記念した個展を開いた。
正会員選出は9月5日付。小崎さんは「出品できない期間が続いたが、諦めたくなかった。目標を達成した時の喜びは何事にも代えがたい」と笑顔で「作ってみたい作品や挑戦したい技法がまだある。元気な限り作り続けたい」と力を込めた。
日本工芸会によると、道内の正会員は小崎さんを含め11人(うち陶芸9人)で、東胆振1市4町では小崎さんのみ。
















