苫小牧工業高等専門学校の有馬隆司准教授(37)が、2022年度日本流体力学会の竜門賞を受賞した。40歳未満の若手で流体力学の発展に寄与し、独創性と将来性に富むと認められた個人に授与される賞で、国立高専機構教職員の受賞は初めて。幅広い現象に応用できる理論づくりを目指し、気体や液体の流れに関する理論を次々に構築した功績が認められた。有馬准教授は「格式ある学会で偉大な先生方が受賞してきた賞をもらえたのは名誉なこと」と喜んでいる。
有馬准教授は信州大学理学部物理科学科を卒業し、名古屋工業大学大学院創成シミュレーション工学専攻を修了。現在はイタリアのボローニャ大学の応用数学研究所で在外研究を行っている。
流体力学は、気体や液体のように一定の形を持たない流体の運動を理解する学問。有馬准教授は長年「非平衡熱力学に基づく多原子分子気体流れに関する数理的研究」を続けてきた。
空気を伝う音などの流体が、時間とともにどう変化していくのかを数式で表す。「今まで発表されてきた理論を拡張し、これまでの流体力学では扱えなかった音波や衝撃波といった急激な変化を表す理論を構築したい」と日々研究を重ねてきた。
過去の研究で明らかになった理論に「単原子ではなく多原子分子ではどうか」「気体の密度を変えたらどうなるか」といったさまざまな条件を当てはめながら改良させていったといい、昨年夏頃、自分が開発した理論を広くアピールしたいと応募した。
来年3月まではイタリアで研究を続ける予定で、「賞の名誉を維持するためにも流体力学の新たな理論づくりに励みたい」と話している。
研究課題は今年度、マツダ財団の研究助成を受け、文部科学省の「科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業」(さきがけ)にも選定。「非平衡流れに対する階層的流体力学の創成」などをテーマに研究に取り組んでいく。
















