ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会は、1次リーグを突破した8チームによる決勝トーナメントが始まる。1次リーグで盤石の強さを見せたアイルランドと開催国フランスが優勝争いの軸で、連覇を狙う南アフリカと復調気配のニュージーランド(NZ)が追う構図となりそうだ。準々決勝は14、15日にパリ郊外サンドニとマルセイユで行われる。
世界ランキング1位のアイルランドは優勝3度のNZと対戦。4試合で5トライしか許さなかった堅守に加え、力強いFWで圧力をかける戦いぶりに隙はない。NZは出場20チームで最多の253得点。開幕戦でフランスに敗れた後、バックスの切れ味が戻ってきた。勝てば、準決勝でウェールズ―アルゼンチンの勝者と当たる。
前回4位のウェールズはSOビガーら経験豊富な選手がそろい、着実にPGを重ねる。日本に勝って2大会ぶりの8強に進んだアルゼンチンは、WTBのM・カレーラスらバックスの調子が上がっている。
フランスは南アフリカと激突。骨折で一時離脱したSHデュポンの穴を、代役ルクがきっちり埋めるなど層は厚い上、デュポンは復帰した。南アフリカはキッカーの不調が懸念材料だが、モール攻撃などで強力FWを生かせば勝機はある。この試合とイングランド―フィジーの勝者が準決勝で顔を合わせる。
4大会ぶり8強のフィジーは前回準優勝のイングランドに挑戦。1次リーグではオーストラリアに勝ったが、格下のポルトガルに屈するなど好不調の波が激しかった。得意の即興的なパス回しで主導権を握れるか。4連勝で突破のイングランドもサモアに大苦戦するなど本調子ではない。フィジーは大会直前の試合でイングランドから史上初の白星を挙げている。

















