2023年度の北海道文化賞に選ばれた白老町在住の絵本作家でアイヌ文化伝承者、宇梶静江さん(90)による「絵本作家・宇梶静江の講演と古布絵(こふえ)の展示」(一般社団法人アイヌ力など主催)が15日、札幌市中央区の道立近代美術館講堂で行われた。宇梶さんは講演で、人との出会いや互いを理解することの大切さを説いた。
アイヌの伝統刺しゅうで古い布を重ね、アイヌに伝わる叙事詩「ユカラ」を表現する独自の「古布絵」の世界を通して詩を発表。アイヌの文化や精神の普及に取り組んでいる。
23歳で差別がある北海道を離れ、上京した宇梶さんは「和人とアイヌは民族の違いがある。互いに違いを認め、理解し合えば差別は起こらない」と強調。アイヌの先祖たちは、さまざまな神々に感謝することなどを子供たちに話し、和をもって生きる教えをしてきたと述べた。
宇梶さんは「62歳で古布絵を学んで夢中で取り組んできた」と振り返りながら、「2年前に帰郷するとアイヌの同胞がとても喜んで迎えてくれた。この住みづらい世の中を(和人の皆さんと)一緒によくしていきたいと願っています」と語った。
また、来場者から古布絵の題材にシマフクロウを選ぶ理由を問われた宇梶さんは「シマフクロウはまちや村を守ってくれるカムイ(神)と教えられていた。夢中で古布絵に取り組んでいると、認めてくれる出版会社が現れた」と答えた。
230人が来場して満席となった会場では、シマフクロウやサケを題材にした宇梶さんの古布絵14点も展示された。併せてステージではアイヌシンガーの豊川容子さんが「平取の子守歌」などを披露した。



















