有珠川7遺跡で発掘調査 竪穴式住居跡や遺物4千点以上

直径4メートルほどの竪穴式住居跡を指差す末光さん

 北海道埋蔵文化財センター(江別市)は、苫小牧市高丘の有珠川上流域で「有珠川7遺跡」の発掘調査を進めている。竪穴式住居跡や炉跡のほか、縄文時代中期~晩期の道南地域の遺物など4000点以上見つかっており、周辺に人が定住していたことや道南の人々と交流があったことがうかがえる。

 有珠川7遺跡は有珠川河口から約4・5キロ上流の左岸に位置し、面積は推定1万9200平方メートル。

 1989年のゴルフ場建設に先立つ試掘調査で同遺跡をはじめ有珠川4~9遺跡が発見されており、今回は樽前山火山砂防工事の有珠川遊砂地流木止工事に伴い埋蔵文化財の調査が行われた。

 現地での調査期間は8月2日から10月27日までの3カ月間。同センターの発掘担当者と公募の市民20人が作業に当たっている。

 調査の対象は有珠川7遺跡内の1790平方メートル。地表から3メートルほど掘り進めた第2黒色土層で、時代は縄文時代中期末葉~後期初頭、およそ4000年前に当たる。

 竪穴式住居跡3軒と炉跡2カ所、土坑2基が見つかっているほか9月28日までに土器2025点や、石棒などの石器2044点が出土した。

 竪穴式住居跡は直径約4メートルの不整な円形、それと同規模と推測される柱穴が数カ所あるもの、同3メートルほどの小型の三つが確認されている。

 土器は縄文時代中・後・晩期のもので、「ノダップ2式」をはじめ「れんが台式」、同時代後期初頭の「余市式」、道南系とみられる曲線的な「沈線文」など。石器は、黒曜石の剝片や磨製石斧といったものが見つかっている。

 遺物の発掘は手ぐわやシャベルを使い、慎重に進められている。市内緑町の主婦斎藤美千穂さん(54)は「トレジャーハンターみたいで、(石器などを)見つけたときの喜びが大きい」と語る。

 同センター調査部の末光正卓さんは「樽前山の火山が降り積もっていたことで遺構、遺物がきれいに覆われ、保存状態は良い。石棒は祭祀(さいし)用の遺物で特に珍しい」と話す。

 現地調査終了後は、土器の復元や石器の実測などの作業に入り、来年3月までに調査報告書を取りまとめる。今回見つかった、土器や石器などの遺物は市美術博物館で保存する予定という。

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