25日から値上げされた胆振・日高管内のタクシー料金。管内タクシー事業者の要望が実現し、2020年2月以来約3年8カ月ぶりの引き上げとなる。燃料価格の高騰や人手不足の影響などが深刻で、その対策となる値上げが急務だった。利用者にとっては大きな負担増となるが、苫小牧市内の事業者は「経営状況は厳しい。利用者には理解をお願いしたい」と切実に訴えている。
北海道運輸局室蘭運輸支局管内(胆振・日高)のタクシー運賃は25日から、初乗り料金(距離1・237キロ)が50円増の600円になり、加算料金も現行の272メートル80円が、303メートル100円に変更となった。同地区では法人タクシー事業者21者、保有車両で全体の7割超が初乗り運賃を600~670円に値上げするよう道運輸局に求め、9月25日付で改定額が決まった。
苫小牧市内で19台を運行する金星室蘭ハイヤー苫小牧支店(新中野町)によると、タクシーの燃料に使われるLPG(液化天然ガス)価格が高騰し、前年同期に比べて3~4割ほど高くなった。乗務員30人の平均年齢は70代で、車両は19台あるが夜間に稼働していない車両もある。料金の値上げで、歩合で働く乗務員の収入増につなげる考えだが、10月スタートのインボイス(適格請求書)制度への対応や最低賃金の引き上げで経費も増加。キャッシュレス決済への対応やメーターの改修もあり、今回の料金値上げでも経費の負担増に追い付かない現状という。
苫小牧第一観光ハイヤー(有明町)の原田義広苫小牧営業所長(66)は「小銭の両替手数料もかかる時代。各社で検討して(加算料金は)切りの良い100円単位にさせてもらった」と値上げを求めた経緯を説明する。値上げは運転者不足対策による人件費確保、労働条件の改善などの狙いを含むが、「最低賃金も来年には1000円を超えるかもしれない。安全運行のため、必要経費は削れず、三重苦、四重苦だ」と頭を抱える。
市内で営業所3カ所を構え、車両68台を保有する臨港昭和交通(元中野町)は、ドライバー約90人の平均年齢は60歳超。乗務員が足りず、運行できない車もあるといい、熊谷正盛営業係長(59)は「コロナ禍で収入が減り、やめた人も多い」と振り返る。利用者から「仕方ない」という反応も寄せられているといい、「ドライバーの給料を少しでも上げ、新規採用につなげたい」と強調。車両の稼働率を上げて、安定した運行を継続するため、理解を求めている。
















