むかわ町末広のスーパー「エーコープセレス店」が15日、閉店した。鵡川地区で30年近く、地域に親しまれた。最終日も町民が続々と訪れ、閉店時間の午後5時まで買い物し、顔なじみの従業員と談笑する姿が見られた。同店の閉店後、鵡川地区のスーパーは、町松風の「コープさっぽろパセオむかわ店」のみとなる。
エーコープセレス店は、鵡川農業協同組合(JAむかわ)が1996年に開いた。99年にエーコープ道央への加盟を経て、2008年からホクレン商事(札幌市)が運営した。売り場面積は約1230平方メートル。施設の老朽化が進み、暖房代や電気代などのコストがかさむほか、18年9月の胆振東部地震以降の人口減少なども影響し、閉店を決めた。
最終日の店内は、ほとんどの食品や飲料などが売り切れ、空の商品棚が目立った。客は残っている商品から目当ての品を選び、従業員に「寂しいね」「本当にありがとう」と声を掛けた。
町宮戸の主婦、川窪夏枝さん(82)は「なじみやすい店で、駐車場で開かれた夏祭りに参加した良い思い出がある」と振り返り「きょうは商品がほとんど無くなっていた。閉店はすごく寂しい」と惜しむ。
同店の開店時に従業員として1年間勤務した元同農協職員で町文京の会社経営、中井弘さん(76)は「最後を見届けに来た。お客さまの『ありがとう』という声を聞くと、胸が熱くなった」と感慨深げに話し、店内の撮影をした。
母親と買い物に来た鵡川中央小学校4年の及川流生君(10)は「何度も店に来て、好きなお菓子を買ってもらってうれしかった」と残念がった。
土地と建物を所有する鵡川農協は「現状の建物を利用する事業者を探すほか、今後の活用方法を模索していく」としている。




















