2023年7月から着工していた白老町高砂町の白老生活館が完成し17日、白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)主催のチセノミ(新築祝い)やハルランナ(餅まき)が行われた。町民や来賓ら約100人が参加し、新たな町民交流の場の誕生を厳粛かつ盛大に祝った。
チセノミは同協会の新井田幹夫さんが祭司を務め、大塩英男町長ら来賓約20人が同館の中心部に位置するいろりを囲んだ。火入れの後、シラリエカムイノミ(酒かすによる祈り)などを経て本祭に入った。アペフチカムイ(火の神)に祈りの言葉をささげ、酒や供物を先祖にもささげた。工事中に守護を頼んでいたカムイの任を解く地鎮祭のイナウ(木幣)送りを終えてオシトゥキ(閉会の祈り)、イナウ奉納と厳粛な雰囲気の中で伝統の儀式が執り行われた。
正午からは、隣接する浜町公園で大塩町長や山丸理事長らがハルランナ(餅まき)を行い、関係者と盛大に完成を祝った。
大塩町長は「厳粛な儀式を終えて多機能型生活館が開館し、喜ばしい。地域の皆さまに愛される施設となるよう願う」と述べ、山丸理事長も「設計段階からわれわれの意見を取り入れてくれ、素晴らしい施設になった。地域住民みんなの憩いの場としたい」と語った。
1962年開館の初代、79年改築の2代目に次ぐ3代目の新館は木造平屋建て、延べ床面積約480平方メートル。大小ホールに加え、いろりを設けた儀礼室などがあり、主にアイヌ文化伝承や町内会活動拠点として活用される。外構工事を除く総工費は2億7745万円。

















