廃校舎

廃校舎

 児童生徒数が減ったために閉校や統合され、学校として使われなくなった施設が増えている。文部科学省の調査では全国に約7400施設あり、大抵は何かに利用されているが、用途の決まっていないものも2割ほどある。

 利用された廃校舎は、学校のイメージもあって、主に社会教育、文化芸術、交流の場として使われている。ほかに今どきの産業を支え、雇用が創出された例がある。山梨県身延町の旧中富中学校はドローン開発・研究等施設、福岡県若宮市の旧吉川小学校は人工知能(AI)研究開発施設、栃木県那珂川町の旧馬頭東中学校はバイオマス発電所になった。校舎が備える耐震性や建設・運営費を大幅削減できる点が魅力になったよう。

 身近な所では、化粧品製造販売のナチュラルサイエンス(東京)が、白老町で運営する庭園施設「ナチュの森」の文化施設として、同町の旧虎杖中学校を利用した。同社は改修・開館後に卒業生や教職員を招待する粋な計らいをしている。また、社員には旧虎杖中の卒業生もいて、母校は自身の誇りになっていそう。

 思い出深い学びやがなくなり廃校舎になってしまっても、新たな用途で人が出入りし、声が響き続けるのはうれしいもの。有効活用の広がりを願う。(林)

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