23年の救急出動1万26件 苫小牧市消防本部

出動件数が右肩上がりの救急車

 苫小牧市消防本部の2023年の救急出動件数(速報値)は前年比672件増の1万26件となり、初めて1万件を超え、統計が残る1962年以降で最多を更新した。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類に移行し、人の流れが活発化したことや夏場の記録的な暑さで体調を崩した人が多かったことなどが影響したとみられる。

 救急出動件数は近年、右肩上がりで17年以降は8000件台で推移。コロナ禍が直撃した20年に約7500件まで落ち込んだが21年には8126件と増加に転じ、22年は9000件を超えた。

 出動の内訳は例年同様、「急病」が最多の7055件(前年比623件増)。胆振管内で初の「熱中症警戒アラート」が発表された8月、救急搬送の月別件数が初めて1000件を超えた。

 熱中症疑いの搬送者は5~9月に111人を数え、これまで最多だった19年の51人を大幅に上回った。同本部は「昨夏の暑さは熱中症にとどまらず、持病の悪化や体力に不安がある人の衰弱などをもたらし、搬送者を増やした」とみている。

 けがなどの「一般負傷」は1411件(63件増)、病院間で患者を移動させる「転院搬送」は791件(79件減)、「交通事故」は384件(51件増)だった。

 病院への搬送を伴わない「不搬送」は1419件(282件増)。内訳は「到着後の辞退」が965件(280件増)と7割近くを占めた。「到着後に、回復した」「家族で病院に連れて行ける」などが主な理由で、同本部はけがや病気の緊急度の自己判定に、消防庁が開発した救急受診アプリ「Q助」の活用を求めている。

 搬送者数は8659人(376人増)で、65歳以上が5376人(94人増)と約6割を占めた。高齢化を背景に当面、出動件数の増加傾向が続くとみられる。

 同本部は「救急車を呼ぶ時まで我慢して重症化してしまうケースもあり、症状が軽いうちにかかりつけ医に診てもらうことが大事」と強調。一方で「タクシー代わりに救急車が利用されるケースも後を絶たない」とし、適正利用への協力を呼び掛けている。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る