苫小牧市の剣道道場「苫小牧至誠館」出身の大洲卓真(札幌日大高2年)が第43回北海道高等学校新人剣道大会(1月12、13日・千歳市開基記念総合武道館)の個人戦と団体戦で優勝した。同校は今月26~28日に開催される第33回全国高等学校剣道選抜大会(愛知県)への出場が決まり、大洲が意気込みを語った。
12日の個人戦には各地区の予選を勝ち抜いた76人が出場した。大洲は「一戦一戦集中して戦うことができた」と初戦、2回戦を危なげなく突破。佐藤(札日大)との同門対決となった3回戦では延長戦にもつれ、15分に及ぶ激戦を制した。「(佐藤に勝って)調子が上がった」といい、その後は試合の規定時間である4分で勝ち切る安定感を発揮して決勝に駒を進めた。
「翌日の団体戦で優勝するためには自分が勝って(優勝候補の)東海大札幌に札幌日大の強さを見せないといけない」と強気で臨んだ決勝。相手に故意に小手を見せ、打ってきたところに合わせて面を打ち込み勝利をつかんだ。
その団体戦には32チームが出場。大洲は予選のリーグ戦、4強を決めるトーナメント戦と全勝。選抜出場の2枠を懸けて4校で争うリーグ戦に挑んだ。
初戦は札幌第一。昨年の同大会で敗れ、全国大会への道を阻まれた因縁の相手だ。札日大は先鋒が2本負けするも中堅、副将が2本勝ちを収め、大将の大洲へ試合をつないだ。「味方が勝ってくれていたので、チームが勝てるように良い流れで試合ができた」と確実に引き分け難敵を破った。
次戦の札幌東には5―0と完勝。勝った本数、勝ち点などで競う同大会団体戦の規定に基づき、4人以上が負けなければ優勝が決まるライバル東海大札幌との最終戦。0―3と負けが許されない場面だったが、引き分けに持ち込んで全道王座に輝いた。
大洲は「団体優勝は素直にうれしい」としながら「(東海大札幌とは)実力差はあまりないと思うが、ここぞの勝負強さがチームとして必要だと感じた」と反省も忘れない。
新チームでは主将の重責も担う大洲。「大変なこともあるが、周りへの声掛けは得意」と前向きにとらえる。12月には恩師の出身大学・筑波大学へ一人で出稽古にも参加。「憧れの選手と稽古ができて刺激を受けた。高いモチベーションで稽古ができている」と充実した表情だ。
日々の練習では気力、技のつなぎ、足と手のさばきなど六つに重点を置いて技術を磨く。選抜大会には「(実力が)上のチームがたくさんいる。どこまで自分たちが挑戦できるかが大事になってくる。目の前の一戦に集中していきたい」と闘志を燃やす。
至誠館の渡辺光敏館長は「今までの練習に向かう心構えとひたむきさが実を結んだと思う。これからも慢心せず練習に励み、大会では一回り、二回りと大きく成長することを願っている」とエールを送った。
大洲は選抜大会のほか、第72回全日本都道府県対抗剣道優勝大会(4月29日、大阪府)にも出場する。

















