「男なのに」中傷はねのけ 苫小牧の小3年 3年間伸ばし ヘアドネーションに協力

カットを終えた中田君

 がんの治療などで髪を失った子どもの医療用ウイッグに髪の毛を提供するボランティア「ヘアドネーション」に協力するため、苫小牧市柏木町の中田知成君(9)=泉野小3年=が26日、豊川町の美容室「today」を訪れた。約3年間伸ばし続け、50センチ以上に達した髪にはさみが入れられると、鏡に向かう中田君の顔に満面の笑みが浮かんだ。

 中田君は幼稚園年長組の時、母親の知穂さん(38)からヘアドネーションをした男児の記事を見せられ、「やってみたい」と口にした。知穂さんは「髪を伸ばしていたら、からかわれることもあるよ。それでもやりたいなら、応援するよ」と伝えた。中田君の意思は揺るがず、知穂さんは「途中でやめてもいいからね」と優しく語り掛け、小学校の入学を迎えた。

 2年生の頃、髪の長さが目立つようになり、同級生から「男なのになんで髪切らないの」「ばばあ」などと心ない言葉を浴びた。知穂さんから教わったヘアドネーションの役割を話そうとしても、「そんな言葉は知らない」と一蹴された。

 ところが、担任教諭がヘアドネーションについて説明する機会を設けると、教室の空気が一転。「頑張って伸ばしてるんだ」「優しいね」と言ってもらえるようになり、「うれしかった」と振り返る。

 北海道ヘアドネーション協会と提携している同美容室で、腰の辺りまで伸びた髪は輪ゴムで六つの束に結ばれ、次々とカットされていった。中田君は「すっきりした。学校に行ったらなんて言われるかな」と頭をかき、「4年生になったら、また挑戦したい」と力を込めた。

 一緒に来店した知穂さんは「よく頑張ったね」とねぎらいながら、「男の子が髪を伸ばすだけで、こんなに説明が必要なんだと改めて感じた。もっと理解が広がれば」と願っていた。

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