ドナー休暇に1日1万円 苫小牧市 骨髄提供者へ助成事業

ドナー休暇に1日1万円 苫小牧市 骨髄提供者へ助成事業
苫小牧骨髄バンク推進会による登録会。毎回、多くの市民らの協力が集まる

 苫小牧市は2024年度、血液疾患の患者に移植する骨髄・末梢血幹細胞の提供者(ドナー)に対し、通院や入院日数に応じて助成する新規事業を実施する。仕事を休むことで生じる経済的負担を理由に提供をためらう人を減らすのが目的で、道内でも珍しい取り組み。1日当たり1万円の助成を見込み、新年度予算に50万円を計上した。

 骨髄や末梢血幹細胞には血液をつくる組織が含まれ、健康な人から提供を受けることで白血病など血液疾患のある患者に移植できる。提供に当たっては、日本骨髄バンクに登録した人の中から患者と白血球型が一致する複数の候補者が選ばれ、検査や本人の意思確認などを経て最終同意をした人がドナーに決まる。

 ドナーになると、検査や骨髄採取などのため7~10日の入院や通院が必要となり、就労している人は休暇を取らなければならない。「ドナー休暇制度」を導入し特別休暇として認める企業もあるが、現状の多くは個人が有給休暇を使って対応している。就労形態が時間給や日給の場合は直接、収入に影響が出る。

 市の新規事業は、企業の休暇制度を利用できない人、またはドナーとなった従業員に休暇を与えた企業に対し、1日1万円、最大10万円(10日間分)を助成する内容。市健康こども部の吉田陽輔次長は「助成制度が企業のドナー休暇制度導入の呼び水にもなれば」と期待する。

 市内・近郊の商業施設や企業などで骨髄バンクへの登録会を開いてきた苫小牧骨髄バンク推進会(矢嶋翼会長)は、22年12月にドナーへの助成制度を市に要望していた。1999年の活動開始から2850人超の登録者を集めた同会の矢嶋代表は「登録者を増やしても、経済的な負担で提供できない人が多いのではもったいない。市の助成制度は移植を待つ患者さんを救う策になるのでは」と喜ぶ。

 一方、登録者の中には市外の人も少なくないことから、「ドナーになった道民が一律に助成を受けられるよう、道にも手立てを考えてもらいたい」と話している。

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