3日行われたジャイアンツ戦、待ちに待った大谷のドジャース初本塁打は豪快な一撃だった。七回、2死走者なしで左投手と対戦。高めの150キロをスムーズな振りで捉えると、打球は美しい軌道で右中間スタンドへ飛び込んだ。5万2746人が入った本拠地は大歓声。ベンチに戻ると、同僚からヒマワリの種を浴びせられる祝福を受け、表情を緩めた。
開幕から9試合目、41打席目で出た一発。大リーグ入り後最も遅いシーズン1号に「何とか一本出てよかった。(本塁打が出なくても)監督には自分らしくしていればいいと言ってもらえたので、気持ちが楽になった」と振り返った。
オフに10年総額7億ドル(約1060億円)の超大型契約でドジャース入り。期待を受けてシーズンに臨んだが、開幕シリーズ中に専属通訳の水原一平氏が違法賭博問題で解雇されるトラブルに見舞われた。グラウンド外が騒がしい中、大谷の打球はなかなか上がらなかった。「早く打ちたいなという気持ちが(あり)、いいアットバット(打席)からどんどん懸け離れていく状態だった」
ただ、球を捉えるタイミングがずれても、本来の打撃は変えなかった。「我慢しながら調整していくのが(正しい)スタイルかなと」。信念を貫き、本拠地7連戦の最後に131メートルの大アーチを架けた。
記念のホームランボールは、手に入れたファンにバットや帽子を交換用に贈って確保したという。「これを機にしっかり自分の打席を継続したい」。少しの「生みの苦しみ」を味わったスラッガーは、迷いのないスイングで次の打席に立つ。














