23歳の阿部は、米ツアー参戦中の古江彩佳、西村優菜らと同じ2000年度生まれ。先を行く同世代がいても「焦りはなかった」と言いつつ、もどかしい気持ちはあった。「プラチナ世代と言われておきながら、そのグループにはいないとずっと思っていた。優勝できて本当によかった」
この日八つのバーディーを決めたが、勝因はむしろ一つのボギー。パー4の11番。ショットが乱れて4オン。ここで約7メートルのパットを沈めて傷を最小限にとどめた。「ボギーでよかったと心底思った」。14番からの4連続バーディーで21歳の佐久間を追い越し、1打差で振り切った。
恵庭市出身。10歳でゴルフを始めた。冬場は「吹雪だろうが寒かろうが、練習場が閉まらない限り毎日行っていた。根性も鍛えられた」と感じている。中学進学を機に拠点を福岡県へ。今シーズン前はプロ野球ソフトバンクの甲斐拓也捕手の自主トレに参加し、楽しんで競技に臨む心構えなどを学んだ。
趣味は写真撮影。この大会でのツアー初制覇に「縁があるな」と笑う。「今年の目標は、1勝もしていないのに複数回優勝だった」。ようやく届いた頂点は、スタートラインでもある。

















