六回を終えて98球を投げていたロッテの佐々木は、志願して七回のマウンドに向かった。「序盤になかなかいい投球ができなかった。その分イニングを投げて、トータルで見て良かったなと思えるような試合にしたかった」からだ。
打者3人であっさりと片付け、7回2失点で自己最多となる111球。「最低限の仕事はできたかな」。ほっとした表情でベンチに引き揚げた。
一、二回に1失点ずつ。直球の制球に苦しんだが、この日最も操れていたスライダーの割合を大幅に増やし、変化球主体で立て直した。四回は16球のうち直球は4球のみ。直後に打線から援護をもらってリズムに乗ると、五回からは直球も走った。終わってみれば三回以降は無安打。吉井監督は「尻上がりに良くなった。いい投手はそういう投球スタイルをする」と目尻を下げた。
投球の幅を見せた一方で、最速158キロだった直球の球速には満足していない。お立ち台で「最近、球が速くないので疲れていない」と冗談交じりの言葉も。「なるべく自分のベストなパフォーマンスを出した上で抑えたい」。今季初白星で一息つき、次は本来の剛腕ぶりを披露する番だ。














