北海道児童青年精神保健学会など道内5団体は10日、ギャンブル依存症の拡大を懸念し、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の北海道への誘致に反対する要請書を、鈴木直道知事宛てに提出した。
同学会のほか、北海道臨床心理士会、北海道精神保健福祉士協会、北海道子どもの虐待防止協会、札幌弁護士会の連名で提出。同日は5団体の幹部らが道庁を訪れ、小田桐俊宏観光振興監に要請書を手渡した。
要請書では、「ギャンブルは家庭を破壊し、子どもの生活を脅かし、子どもの育ちに深刻な害を与えている」と指摘。日本のギャンブル依存症の有症率は2.2%で、欧州諸国(イギリス0.8%、スウェーデン0.9%、スイス1.6%)と比べて高率であることも強調。「私たち専門家団体は、ギャンブル被害をさらに増大させるカジノの建設に強く反対する」とし、鈴木知事に、北海道内へのカジノIR誘致を認めないことを求めた。
要請後、記者会見した同学会の担当理事で児童精神科医の黒川新二氏は「2018年にも当時の高橋はるみ知事に同様の要請書を提出した」と説明。昨年12月に道議会の最大会派、自民党・道民会議がIRの本道誘致を考える「有志の会」を立ち上げ、約4年ぶりに議論を再開したことも指摘。「下火になっていたIR誘致がまた再燃する可能性があるため、各団体と再び要請することにした」と述べた。
苫小牧市植苗地区を優先候補地とするIRを巡っては、19年11月29日に鈴木知事が定例道議会で「認定申請見送り」を正式に表明。最大与党の自民会派で賛否両論が渦巻き意思統一が図られなかった点や、植苗地区で猛禽(もうきん)類などの稀少動物の存在も明らかになり、環境影響調査(アセスメント)に時間がかかることを重視して見送った。
ただ、知事は再挑戦の姿勢は崩しておらず、昨春の2期目の知事選で苫小牧民報社が行った政策アンケートでIRの考え方について「北海道らしいIRコンセプトの構築に向け、中長期的な視点に立って検討していきたい」と回答している。
整備区域を巡る国の1次募集では全国2地域が手を挙げ、昨春認定された大阪府・市が30年の開業を掲げる一方、長崎県は資金確保の根拠が不十分と判断され、昨年12月に不認定となった。
















